「週末に家族とどこへ出かけようかなあ」「ちょっとアウトドアな趣味も持ちたいなあ」という方におすすめしたいのが釣りです。
季節を問わず自然に触れながら1人でも家族や友人とでも楽しめるアクティビティーですが、釣りを初めてする方や一から道具をそろえて挑戦する方にとってはわからないことも多いと思います。
そこで今回は釣りの始め方をはじめ、釣りができる場所や釣りに必要な道具などの基本的なことについてご紹介します。
釣り初心者の始め方まとめ|始めるまでの流れは?
釣り初心者の方はまず
- どんな魚が釣りたいかターゲットを決める
- 釣りたい魚に適した道具を用意する
- 実際に釣れるポイントを調べる
この3つのポイントを知っておけば釣りを始められます。まず1つ目に釣りたい魚を決めていきますが、初心者の方は比較的釣りやすいアジやイワシがおすすめです。全国的に釣れる場所も多く、ときには何十匹と釣れる場合もあるため釣果も期待できます。
2つ目にターゲットの魚に適した道具選びです。獲物のサイズに見合わない仕掛けや竿を選んでしまうと全く釣れなくなってしまうため、場合に応じて道具を選びましょう。
3つ目は釣れるポイント選びです。万全に準備をしても見当違いな場所で釣りをしてしまえば釣果も期待できません。釣りに行く前にネットや本で確認しておきましょう。
釣りの場所|初心者におすすめの釣り場は?
日本には海に面した地域はもちろん、山間の川や池などあらゆる場所で魚が生息しているため、釣りができる場所は数多くあります。その中で釣りができる主な場所としてざっくりと分けると
- 海
- 川
- 池・湖
- 釣り堀
これらの4ヶ所が挙げられます。初心者の方は近くにトイレがあったり、道具を買ったり借りれたりする設備が近くにある釣り場所であれば、釣り経験が少なくても心強いです。また、釣り場所まで車で向かう場合が多いため、近隣に駐車場があるか確認しておくとよいでしょう。
海釣り
日本は47都道府県のうち41都道府県が海に面しているため、海釣りに恵まれた国といっても過言ではありません。海で釣りを行う際は港や防波堤、磯や砂浜などの陸地から釣る方法と沖合いまで船を出して釣りをする方法の2種類があります。
初心者の方がいきなり船釣りに挑戦するにはハードルが高いので、まずは陸からの釣りに挑戦するとよいでしょう。港や防波堤では主にアイナメ、アジ、イシモチ、イワシ、カサゴ、カマス、カレイ、キス、コノシロ、サッパ、サバ、サヨリ、ハゼ、ベラ、メバルが釣れます。
磯や砂浜ではアイナメ、アナゴ、カレイ、キス、ハゼ、ベラなどが釣れ、エイやヒラメなどの大物がかかる場合もあります。沖合いではアマダイ、アジ、イカ、イサキ、イナダ、カンパチ、マダイ、ワラサなどの30cm以上の魚が釣れることが多いです。
海釣りをする際はすべりやすい場所もあるため、サンダルやクロックスは極力履かないように心掛けましょう。また、初心者の方は海釣り施設などを利用すれば、駐車場もあり売店やトイレなどの設備も整っているため、家族連れでも安心して楽しめます。
川釣り
日本には30,000以上の川が存在するため、あらゆる川にたくさんの生き物が生息しています。川は主に上流、中流、下流の3ヶ所に分けられ、上流になるほど水質がきれいで川の流れが早くなります。
下流や中流では主にオイカワ、カワムツ、テナガエビ、ハゼ、ハヤ、フナなどが釣れ、大きい魚だとウナギ、コイ、ブラックバス、ナマズなどもターゲットにすることができます。上流で行う釣りは渓流釣りとも呼ばれ、主にアユ、アマゴ、イワナ、ウグイ、ニジマス、ヤマメなどが生息しています。
渓流釣りができる河川では漁業権が設定されている場合があります。漁業権が設定されている河川を管理する漁協(内水面漁業協同組合)が発行している釣り券を遊漁券といい、遊漁券を持たずに無許可で釣りをしてしまうと密漁になってしまうため注意が必要です。
遊漁券は、漁協の事務所や漁協と提携している販売店(釣具店や個人商店、コンビニなど)で購入することができます。また、資源保護のため釣りができる時期が決まっている場合もあり、地域によってルールも異なります。釣りの前に調べておきましょう。
池・湖釣り
日本にある池(ため池)はおよそ240,000以上、湖は大小さまざまで135種類が存在します。すべての場所で釣りができるわけではありませんが、海や川とは違った釣りを楽しむことができます。
池や湖にいる生き物のほとんどが塩分を含んでいない淡水に生息しており、季節によって釣れる魚種はほぼ変わりません。釣りをする際は海と同様に陸から釣るか、ボートなどに乗り水上から釣りをするかの2択になります。
池で釣れる主な魚はスモールマウスバス(小口バス)、タナゴ、フナ、ブラックバス、ブルーギル、モツゴ、モロコなどで、大きい魚だとコイ、ナマズ、ライギョも釣れることがあります。
湖は地域により多少生息する魚が変わりますが、主にオイカワ、サクラマス、ニジマス、ヒメマス、フナ、ブラックバス、ブルーギル、ワカサギなどが釣れます。また、渓流釣りと同じく漁業権が設定されている湖もあるため、場合によっては遊漁券が必要です。事前に必要か確認しておきましょう。
釣り堀
全国各地に釣り堀が存在し、海に面していない地域でも営業しているため、場合によっては近場で気軽に釣りを楽しめるスポットともいえます。料金を払えば釣りに必要な釣具や餌を使用でき、釣り方もスタッフの方に教えてもらえるため初心者の方にもおすすめです。
釣り堀は海水と淡水の2種類がありますが、海水であればイサキ、カンパチ、カワハギ、シマアジ、ハタ、ヒラメ、ブリ、マダイなど比較的大型で高級な魚が釣れることが多いです。
淡水の釣り堀はニジマスをはじめアマゴ、イワナ、ブラウントラウト、ヤマメなどの魚を扱っている場合が多く、マス系の魚を管理している釣り堀のことを「エリアトラウト」と呼びます。マス系以外にもコイやフナ、金魚などの別の淡水魚を扱っている釣り堀もあります。
場所によっては釣った魚を調理できる(してもらう)設備が併設されていることもあるため、釣りの後にBBQ気分で魚を味わうのもひとつの楽しみかもしれません。
釣りができない場所はある?
ここまで海釣り、川釣り、池・湖釣り、釣り堀をご紹介しましたが、もちろん釣りができない場所も存在します。「昔は釣りOKの場所だったけど久々に来てみたら立ち入り禁止になっていた」という場合も実は少なくありません。
漁業権が関係していたり管理の問題等もありますが、一番の原因としては一部の釣り人のマナーの悪さから禁止になってしまう場合が多いです。
釣り禁止エリアで釣りをしてしまったり、釣り場を汚したまま帰ってしまったりと、ルール違反から釣りができなくなってしまうことがほとんどです。
釣りを行う場合は事前にしっかりと釣り場を調べておき、釣りをした後は必ず自分のいる場所をキレイにしてから帰るように心掛けましょう。
どうやって釣る?初心者向けの釣り方まとめ
ここまででどの場所でどのような魚が釣れるかをお伝えしましたが、次は釣り方についてご紹介していきます。仕掛けはたくさんの種類があるものの、釣り方は大きく分けて「餌釣り」か「ルアー釣り」の2種類に分けられます。
餌釣りもルアー釣りも海水・淡水のどちらでも楽しめて、基本的なアプローチも魚に餌を食べさせることは変わりません。ただし、どの餌がどのような魚に好まれるかは知っておく必要があるため、次は餌釣りとルアー釣りについて解説していきます。
餌釣り
餌釣りに使用する餌は主に「本物の餌」と「ニセモノの餌」の2種類に分けられます。本物の餌の中でも大きく種類分けをすると
- 生き餌(虫類、甲殻類、小魚)
- 冷凍餌(アミ、サシアミ、魚の切り身)
- 配合餌(人工の粉餌)
この3つに区分されます。ニセモノの餌にはワームと呼ばれる虫を模した疑似餌があり、柔らかいゴム質のビニールでできています。虫などの生きている餌に抵抗がある方にはおすすめです。それぞれで釣り方は異なりますが、主に以下の方法で仕掛けます。
- 生き餌:ウキ釣り仕掛け、胴付き仕掛け
- 冷凍餌:サビキ仕掛け、ウキ釣り仕掛け
- 配合餌:フカセ釣り仕掛け
生き餌は、イソメやゴカイなどの虫類ではカサゴやカレイをはじめとするさまざまな魚に効果があり、川の場合は川虫やミミズを使うとイワナやニジマスが食いつきます。エビや小カニなどの甲殻類は特にクロダイに有効です。イワシやアジなどの小魚はスズキなどの魚食性のある魚が食いついてきます。
冷凍餌はいくつかあり、極小エビのアミはアジやイワシなどの小魚に、針にかけられるサイズのサシアミはアジやメジナなど、魚の切り身はサバやタチウオなどに効果的です。ワームは生き餌や冷凍餌と同じように針に仕掛けるため、狙える魚もほぼ同じです。
配合餌は粉を団子状にまとめて針にかける練り餌と魚をおびき寄せるための撒き餌がありますが、練り餌は海ではアジやクロダイ、川ではコイやフナが釣れます。撒き餌は主に小魚を釣るために、あるいは寄ってきた小魚を捕食する魚を釣るために使用します。
ルアー釣り
ルアーとはプラスチックや金属でできた針の付いた疑似餌です。ルアー釣りに使用するルアーは用途によってさまざまで、細分化すると形も数も数え切れないほど存在します。主なルアーとして
- トップウォータープラグ(水面に浮くルアー)
- ミノープラグ(小魚に似た固いプラスチック製のルアー)
- バイブレーション(小刻みに震えるルアー)
- ワイヤーベイト(金属製のワイヤーとブレードが付いたルアー)
- メタルジグ(小魚に似た鉛などの金属製のルアー)
- ソフトルアー(ゴム質の柔らかめのルアー、ワーム)
これらが挙げられます。ルアー釣りは海や川、池や湖など基本的には環境を選ばず使用することができ、生き餌が苦手な方でも釣りをしやすいため、その点は初心者でも安心して釣りに臨めます。
海ではシーバスやサワラ、カンパチなどの大物からアジやサバ、メバルなどの小物まで幅広く狙えます。川では主にブラックバスを釣る際にルアーを使用しますが、イワナやニジマスのようなマス系の魚にもよく使われます。
釣りに必要な道具や準備って?初心者はどこで揃えるべき?
手ぶらで現地へ向かい必要な道具を借りて行う釣りも気軽にできるため魅力ではありますが、やはり自分専用の道具があるとモチベーションも上がるものです。しかし、一から用意するとなると何を買えばよいのかわからなくなってしまう方もいるでしょう。はじめての方が用意しておくべきものは大まかに
- ロッド(竿)
- リール
- ライン(釣り糸)
- 仕掛け(釣り針やルアーなど)
この4種類です。値段はピンからキリまでありますが、初心者の方は比較的安いものから取り入れていくとよいでしょう。ここからはこの4種類の道具について簡単にご紹介していきます。
ロッド(竿)
ロッド(竿)は細長い棒状の釣具です。専用の竿も数多く存在し、狙う魚種によって使い分けたりしますが、大きく分けると
- リール竿(リールを使用する竿)
- ノベ竿(リールを使用しない竿)
この2種類に分けられます。リール竿はリールを付けることで竿の長さ以上の範囲で魚を釣ることができます。糸を通す際のガイドが付いているのが特徴で、流通しているほとんどの竿がこのリール竿です。
ノベ竿はリールを付けない釣り竿で、糸を通すガイドはありませんが、操作がシンプルで使いやすいのが特徴です。使用する場面は限られますが、主に渓流釣りで使用されます。
また、主なメーカーは「シマノ」「ダイワ」「がまかつ」の3つがあり、国内三大釣竿メーカーとも呼ばれています。中でもシマノとダイワは初心者向けの竿も展開しているため、最初の1本におすすめです。
リール
リールとは竿に付けて使用し、糸を巻き取るための道具です。大きく分けると
- スピニングリール
- ベイトリール(両軸リール)
この2つに分けられます。スピニングリールは持ち手のハンドルを回転させることでスプールと呼ばれるボビンのような部分が上下に動きながら、糸をロックする部分が回転して糸を巻き取ります。
スピニングリールはベイトリールと比べて、糸絡みのトラブルが少ないのが特徴で、初心者から上級者まで幅広く使われているリールです。ベイトリールはリールの糸を巻く部分(スプール)が軸となる中央に付いており、ハンドルを回すと均等にスプールに糸が巻かれていく仕組みになっています。
初心者の方はスピニングリールを持っていれば十分に事足りるでしょう。主なメーカーは「SHIMANO(シマノ)」「DAIWA(ダイワ)」「AbuGarcia(アブガルシア)」で、日本三大リールメーカーといわれており、コスパがよいものも数多く取り扱っています。
ライン(釣り糸)
ライン(釣り糸)がないと魚を釣ることが不可能なため、ある意味で魚釣りのもっとも大切な道具といえるでしょう。釣り糸は大まかに
- ナイロン製
- フロロカーボン製
- PE(ポリエチレン製)
この3種類に分けられ、それぞれ特徴が異なります。ナイロン製の糸は釣り初心者にとってもっとも扱いやすい釣り糸で、ハリやコシ、適度なしなやかさがあるため、釣りの最中に絡まりにくい特徴があります。
フロロカーボン製の糸はナイロンよりもハリやコシが強く、リールに巻くとゴワつきを感じるためやや扱いが難しい反面、多少の傷がついても耐えられる耐性の強さが特徴です。
PE製はポリエチレンの細い繊維を編み込んで作られている釣り糸で、引っ張る強度の強さと伸びにくさが特徴です。釣り糸の主なメーカーは「シマノ」「X Braid(エックスブレイド)」「サンヨーナイロン」などがあります。
仕掛け(釣り針やルアーなど)
釣りをするうえで糸と同様に大事な部分が仕掛けです。ターゲットにする魚によって仕掛け方や釣り針も変わりますが、初心者におすすめなのは
- サビキ釣り(アジ、イワシなど)
- 胴突き仕掛け(カサゴ、カワハギ、ベラなど)
- ウキ釣り仕掛け(アジ、メバルなど)
この3つの仕掛けです。比較的シンプルなつくりなので、初心者の方でも挑戦しやすいです。上記の釣り方であれば、釣り針は5~8号あたりのものを使用するとよいでしょう。川や湖の場合は
- ウキ釣り仕掛け(ハヤ、フナ)
- ぶっこみ釣り仕掛け(ウナギ、ナマズ)
これら2つの仕掛けがおすすめです。小物狙いであればウキ釣り仕掛けを、大物狙いならぶっこみ釣り仕掛けに挑戦してみましょう。ルアーを使用した釣りといえばバス釣りですが、特に初心者向けなのは
- ホッパー(水面に浮いてアピール)
- ミノー(小魚に似たリアルなシルエット)
- スピナー(小魚の群れに似せてアピール力抜群)
この3種類です。動き方もさまざまなので、気になったルアーを使ってみるのもおもしろいと思います。
釣り初心者の気になるQ&A|気になる3つのポイント
何事もはじめて行うことは不安があったり気になってしまうものですが、釣りに関しても同じく、はじめて釣りをする場合は知識や経験も少ないため、疑問に感じることも多くあるはずです。
ここからは、これから釣りをはじめる方に向けて初歩的な部分に重点をおいて、釣り初心者の方が気になるであろうポイントや釣り経験者から特に知っておいてほしいことについてQ&A形式で解説していきます。3つに分けてお答えしていくので1つずつチェックしてみてください。
Q1.毒のある魚が釣れる場合もあるの?
A1.あります。毒を持つ魚の種類は「ヒレや棘に毒を持つ危険な魚」と「身体に毒があり食べると危険な魚」の2つに分けられます。ヒレや棘に毒を持つ魚はアイゴ、エイ、ゴンズイ、ハオコゼなどで、毒を持つ部分も背ビレや胸ビレ、尾のように同じ部分ではありません。
身体に毒がある魚では有名どころにフグが該当しますが、テトロドトキシン(フグ毒)という強い毒性を持ちます。アオブダイやソウシハギなどの魚にはパリトキシンと呼ばれる毒を持ち、フグ毒の数十倍の強さの毒性があるといわれています。万が一毒魚が釣れた場合には細心の注意を払って針からはずし、海へ逃がしてあげましょう。
Q2.どんな魚でも釣りをして持ち帰っていいの?
A2.釣って持ち帰っていい魚には決まりがあります。川釣りに関しては、地域によって特定の魚釣り自体が禁止されていることがあり、無許可では釣りができません。この場合は漁業権を所有する漁協から遊漁券を購入してはじめて釣りをすることが許されます。
海釣りの場合は、釣っても持ち帰ることができない魚介類もあり、主なものだとイセエビやタコなどの狭い範囲に定着して生息している生き物です。
直接釣るわけではありませんが、イシダイやクロダイなどを釣る際に餌となる貝類を現地で調達することも漁業権に反してしまう可能性があります。釣りをする地域の漁業権は事前に確認しておくとよいでしょう。
また、釣れる魚の中にはまだ未成熟な稚魚などの小さめの魚が釣れる場合があります。海の生き物も大切な資源なので、小さなサイズの魚はリリースするように心掛けましょう。
Q3.はじめての釣りは海から川から?
A3.身近な場所でできる釣りから始めてみましょう。初心者向けの釣りは海ならサビキ釣り、川ならウキ釣りなどがありますが、はじめての方の中には「本当に釣れるかなあ?」「釣り場所を調べたら結構離れたところだけど本当に大丈夫かなあ」と思う方もいるかもしれません。
自分の身の回りの近くに釣りスポットがあれば、まずはぜひ気軽にチャレンジしてみてください。試していくうちにきっと釣りたい魚がどんどん増えていくはずです。
ちなみに私のはじめての釣りは海釣り施設でチャレンジしたサビキ釣りでした。竿を借りて釣ったイワシやアジは小さかったですが、「自分で釣ったんだ!」と感動したのを今でも覚えています。
まとめ
今回は釣り初心者の方向けに釣れる魚や必要な道具、気になることについてご紹介していきました。はじめて釣りに行くときは釣り方や釣り場のルールもあったりと、気を付けることもたくさんあります。
しかしその上で何より大事なことは、釣りを存分に楽しむことだと思っています。老若男女問わず、はじめて釣った魚の感動はきっと色濃く記憶に残るはずです。この記事を読んで少しでも釣りに行ってみたいなと思っていただけたら私も嬉しいです。
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