メヒカリは深海魚で、詳しい生態がまだ知られていない、謎の多い魚です。
見た目がほとんど変わらないアオメエソとマルアオメエソの2種類が、メヒカリの名前で流通しています。
昔は雑魚として扱われており、あまり食べられていませんでしたが、現代人にマッチした味わいから人気が出てきている魚です。
この記事では、まだまだ謎の多い深海魚メヒカリの釣り方やおすすめの調理方法を紹介します。特徴や生態を知り、釣りや調理の参考にしてみてください。
メヒカリってどんな魚?生態や特徴
分類:ヒメ目アオメエソ科
メヒカリは、成魚でも全長が15cm〜20cm程度の小さな魚です。緑色に光って見える大きな目が特徴的で、しっかりと深海魚らしい見た目をしてます。目は上を向いていることから、主に海底付近に住んでいることがわかります。
生まれて1年で9cm程に成長し、2年で12cm、3年で15cmとゆっくりと大きくなっていくのがメヒカリの成長過程です。また、それ以上の大きさになるとあまり姿が見えなくなると言うのもメヒカリの謎のひとつです。
名前の通り、大きな目が光って見える特徴的な姿によって避けられがちですが、実は脂がのっている美味しい魚として評価されています。漁獲量の多い産地では、ブランド魚や漁師が自信を持っておすすめするプライドフィッシュにも選定されています。
メヒカリは腹が黒い
メヒカリの腹の中が黒いのは、外敵から身を守るためです。メヒカリは、エビやカニなどの甲殻類、動物プランクトンなどの他に、深海に生息している発光する生物を食べることも多いです。
発光する生物は、食べられた魚の腹の中から逃げるために、光を発することがあります。メヒカリの腹の中が光ると、外敵に見つかりやすくなり、捕食されることが考えられます。
メヒカリの腹の中が黒いのは、外敵から身を守るための進化とも言われており、小さく外敵の多いメヒカリにとっては重要な構造です。
各地のブランドメヒカリ
メヒカリは、ブランド魚やプライドフィッシュとして、産地を中心に注目されている魚です。
福島県ではプライドフィッシュ、「いわき市の魚」として、他の産地以上の脂ののりの良さをアピールしています。
愛知県の蒲郡市では「蒲郡メヒカリ」としてPRを図っており、マスカットキャラクターも存在します。
宮崎県では、宮崎のプライドフィッシュ「宮崎メヒカリ」を地元漁協女性部が精力的に活動をし、宮崎の郷土料理の素材として定着させています。
メヒカリの生息地は?日本では釣れる?
メヒカリは、水深200mから600mに生息する深海魚です。太平洋側に広く分布しており、千葉県を境に青森県までの北側には1月〜2月が旬のマルアオメエソ、鹿児島県までの南側には7月〜8月、12月〜1月が旬のアオメエソが生息しています。
また、新潟県から南側の日本海に生息しているのもアオメエソです。海外では台湾、ニュージーランド、ニューカレドニアなどでも見られます。
メヒカリには、多くの産地がありますが、漁獲方法は、深海魚であることからほとんどが底引網での水揚げです。メヒカリを狙った釣りは難しく、船で沖に出て行う深海魚釣りが唯一の釣り方です。外道として釣れることも稀な魚と言えます。
メヒカリ釣りの方法や仕掛け方法
メヒカリは深海に生息する魚で、一般的な釣りの方法ではなかなか釣るのが難しいです。しかし、そのために深海魚釣りという特殊な釣りの方法が存在します。
船に乗って沖に進み、水深200m以上の深さに釣り糸を垂らすというものです。福岡県・宮崎県・愛知県など、メヒカリがよく見られる地域で試すことができます。
メヒカリのみを狙うことは難しいですが、他の珍しい深海魚も釣ることができる楽しみがあります。
深海釣りの仕掛けは特殊で、専用の道具や竿が必要です。また、深海釣りに適した船宿の手配も必要となります。
深海魚釣りは新たな深海魚の発見にもつながる可能性があります。メヒカリを釣り上げるのは難しいですが、ぜひ挑戦してみてください。
メヒカリの味や調理法
メヒカリは、クセのない味わいと、とろける脂が特徴の白身魚です。脂には甘みがあり、くどさも感じないことから、お刺身や塩焼き、唐揚げに天ぷら、煮付けや干物まで、さまざまな調理法で食べられています。
さまざまな調理法で美味しく食べることのできるメヒカリですが、今回は特におすすめの「お刺身」、「塩焼き」、「唐揚げ」を紹介します。ぜひ参考に調理をしてみてください。
メヒカリのお刺身
メヒカリの食べ方で、特におすすめなのがお刺身です。メヒカリは、甘みのある脂がのっており、とろける食感と旨味を楽しめます。お刺身には、新鮮で大きいサイズのものが適しています。
簡単なメヒカリの捌き方を紹介します。
メヒカリのお刺身の作り方
- 大きい目の新鮮なメヒカリを使います。
- 包丁を使い丁寧に鱗を取り除きます。
- 腹ビレから包丁を入れて頭を落とします。
- 内臓を取り除ききれいに洗い流します。
- キッチンペーパーで水気を拭き取ります。
- 三枚に下ろします。
- お腹の部分をそぎ落とします。
- 包丁を使い皮を引きます。
- 食べやすい大きさに身を切ります。
- お皿に盛り付ければ完成です。
流通が少ない魚ですが、新鮮なメヒカリが手に入ったら、ぜひ食べてみてください。クセになること間違いなしの絶品です。
メヒカリの塩焼き
脂ののりが良いメヒカリは、塩焼きも絶品です。塩のみの味付けが、メヒカリそのものの味わいをさらに引き立てます。
後片付けも楽な、フライパンを使った塩焼きの作り方を紹介します。
メヒカリの塩焼きの作り方
材料(2人分)
- メヒカリ 6尾
- 塩 少々
- サラダ油 小さじ1
- レモン 1/4個
- 大根おろし 適量
作り方
- 包丁を使い丁寧に鱗を取り除きます。
- 腹ビレから包丁を入れて頭を落とします。
- 内臓を取り除ききれいに洗い流します。
- キッチンペーパーで水気を拭き取ります。
- 両面に塩を振り、15分くらい置きます。
- フライパンを用意しサラダ油を引きます。
- 熱したフライパンにメヒカリを並べます。
- 弱火と中火の間くらいで、片面4〜5分ずつ焼きます。
- 焼いたメヒカリをお皿に移し、レモンと大根おろしを添えれば完成です。
身がホロホロでジューシーなメヒカリの塩焼きは、外せない調理法です。
メヒカリの唐揚げ
子供から大人まで広い世代に大人気なのが、唐揚げです。カラッと揚げれば、骨まで美味しく食べることができます。
天ぷらもおすすめですが、ここでは唐揚げを紹介します。
メヒカリの唐揚げの作り方
材料(2人分)
- メヒカリ 6尾
- 塩 少々
- コショウ 少々
- 片栗粉 大さじ2
- サラダ油 適量
- レモン 適量
作り方
- 下処理をしたメヒカリの水気をキッチンペーパーで取ります。
- 塩とコショウで味付けをします。
- ボールに入れたメヒカリに片栗粉をかけて全体にまぶします。
- 余分な片栗粉を落とし、160〜170度の油の中に投入します。
- 3〜4分くらい揚げます。
- レモンと共にお皿に盛り付ければ完成です。
ホクホクしたメヒカリの唐揚げは、お酒のお供にピッタリです。ぜひ揚げたてを食べてください。
まとめ
今回は、深海魚のメヒカリについて紹介しました。
緑色に光って見える大きな目からは、想像ができない美味しさが魅力の魚です。釣りで狙うことは難しいですが、メヒカリを調理する機会がありましたら、この記事を参考に調理を試してみてください。
まだ、謎の多い魚でもありますが、あえて、難しいメヒカリ釣りにチャレンジするのも楽しいかもしれませんね。
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