釣り人を魅了し続けており、高級魚として知られる「スズキ」。釣りサイトや雑誌、SNSで大型のスズキが釣れるのを見かけた方も多いでしょう。また、近くのスーパーの鮮魚コーナーで、スズキの名で販売されていることも、よく見受けられます。
本記事では、スズキについて、その生態や特徴、生息地、そしてスズキの釣り方、さらにスズキのおすすめ料理などをお伝えします。釣れるとジャンプを繰り返し、派手なファイトがスズキ釣りのたまらない魅力です。この記事をきっかけに、スズキ釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
スズキってどんな魚?生態や特徴
分類:分類:スズキ目スズキ科
スズキは大型になると1mを超えるフィッシュイーター(魚食魚)として知られ、小魚を一口で食べる大きな口を持っています。魚体はタイなどと異なり、細長いスリムな魚体をしています。産卵期には腹部のぼったりとした魚体が釣れることもあります。
スズキは出世魚で、セイゴ、フッコ、スズキと大きさによって名前が変わります。フッコは地方によって呼び名が変わり、マダカやハネとも言うようです。特に1mクラスの大型になったスズキを、オオタロウと呼ぶ地方もあります。
また、スズキは大きく分けて3種類あり、マルスズキ、タイリクスズキ、ヒラスズキと分類できます。通常、スズキとよばれるのは、マルスズキで、成長が早く黒点のあるタイリクスズキ、関東以南の磯で捕獲されるヒラスズキもスズキの仲間です。
スズキの生態や特徴
スズキは回遊性の魚食魚で、餌となる小魚や甲殻類などを探しに群れで移動するのが特徴です。なお、スズキのエラブタはカミソリの刃のように鋭いため、魚をつかむときは手袋をしたり、直接手で触らずフィッシュグリップでつかむと安全です。
また、スズキは夜行性のため、夜間、明かりに集まる子魚を食べに、明かり周りを回遊することもあります。なお、産卵期は冬~春ですが、産卵場所には所説があり詳しくわかっていないようです。
スズキの歴史とブランド鱸(スズキ)
古くは万葉集(概ね1500年前)に、スズキに関する歌があるようです。遠くに見えるスズキを捕らえる人の船の灯りのように、遠くにしか見えない人に恋をした、という歌も残っています。日本古来より、スズキは生活に密着した魚であったことが考えられます。
また、ブランド鱸(スズキ)として「江戸前船橋瞬〆すずき」が知られています。このスズキは独自の技術で神経抜きをしており、大きさなど一定の基準をクリアしたもので、通常のスズキより甘みが強く、市価も数割高く市場で取引されています。
スズキの生息地は?日本では釣れる?
スズキは、北は北海道の沿岸部、そして、東北の日本海から山陰地方、また太平洋沿岸部を南下し、九州の東シナ海、有明海、さらに日向灘の沿岸部に生息しています。また、海外では朝鮮半島の沿岸部に生息しています。
日本で最も漁獲高の多いのは千葉県です。千葉県の後に、瀬戸内海の兵庫県が続きます。兵庫県の後に愛知県が続き、関東以南は西日本が続くのが特徴です。また、九州にかけては、有明海沿岸と生息地が続くため、東北~西日本まで幅広く生息しています。
そのため、日本の沿岸部のほとんどで釣りを楽しめます。特に、夜間の釣りでは、普段釣れないサイズのスズキが釣れることもあります。また、ヒラスズキは、主に関東以南の磯場に分布しています。
スズキ釣りの方法や仕掛け方法
スズキのルアー釣り(岸釣り)
フィッシュイーターであるスズキの特徴に合わせて、ルアー釣りが人気となっています。漁港や河口や河川部では、9ftのルアーロッドに3000番クラスのリールにPE1.2号ライン、リーダーにフロロ5号前後をつなぎ、ミノーやバイブレーションのルアーを用いた仕掛けが中心になります。
スズキのボート釣り
東京湾は世界でも有数のマルスズキのストック量を誇り、ボートでスズキの居場所を周り釣りを楽しめます。先にお伝えしたスズキのルアー釣りと同様か、一回り小さい仕掛けでスズキを狙えます。
スズキのブッコミ釣り
ルアー釣りとともに手軽に楽しめるのがブッコミ釣り(投げ釣り)です。投げ竿に道糸5号を巻いたリールとハリス3号、針は丸セイゴ16号、餌は青イソメ
の房掛けで狙います。特に夜釣りに分があり、回遊するスズキを待って釣るのが特徴です。
スズキの浮き釣り
浮きを見ながらスズキが餌を食い、浮きが沈むのを楽しむ釣りもおすすめです。磯竿3号に3号の道糸を巻いた3000番リールを取り付け、ハリス2号、針は丸セイゴ16号、餌はイソメ類のほかモエビなどを使うと効果的です。
スズキの泳がせ釣り
浮き釣りの仕掛けに小アジや小魚などを生きたまま背がけにし泳がせ釣りでもスズキは釣れます。道糸に餌を直結しても釣ることはでき、他の釣り方にはない、大きなアタリを楽しめます。
スズキの味や調理法
スズキは血合いが少なく、身が真っ白で程よい硬さが特徴の魚です。淡白な味わいの中に、ほんのりとした甘さがあります。そのような身質を生かして、刺身や塩焼き、バター焼きなどがよく合う魚です。
ただし、スズキは回遊魚のため、河口や湾奥、そして河川に遡上した個体のなかには、生臭さや泥臭さがあります。スズキの臭みは外見で判断するのが難しいこともあり、食する際は捕獲した場所に注意が必要です。
スズキの刺身・アライ
白身で淡白な味わいのスズキは、生食がピッタリで、臭みが強くなければ刺身やアライで食を楽しめます。臭みのない個体ですと、刺身にできますし、少々臭みのある個体は、アライにすると臭みを和らげることができます。
スズキは細長く、大型にもなりますが、料理しやすいのは50cm以下のフッコサイズです。釣れた場所で血抜きやワタ取りをしておくと、鮮度が通常より長持ちし臭み消しにもなります。スズキの生食では、3枚におろし、刺身、もしくはアライにするとよいでしょう。
冬場の水質の良い場所で釣れたスズキは刺身にすると脂がのっていて美味しくいただけます。特に、暖かい季節に釣れたスズキは、薄くそぎ切りにした身を氷水につけ、軽く注いで水気を切ったアライにすると、とても美味です。
スズキの塩焼き
小型のスズキは丸ごと塩焼きにすると、とても美味しいです。家庭用グリルに入らない大きさのスズキは、切り身にして皮付きのまま、パリッとなるまで焼くと香ばしい味わいを楽しめます。スズキは焼き物にもピッタリです。
スズキを丸ごと一匹焼く際は、水っぽさを抜くため干しかごで半日ほど干しておき、水気の抜けたスズキに塩をふりグリルで焼きます。なお、魚は干しすぎると水気が抜けすぎ、身がぱさぱさになるので注意しましょう。
スズキの切り身をグリルで焼く際、身が分厚いようでしたら、包丁で×の切れ目を入れておきます。まず、切り身には塩をふっておき、皮目を先に中火で焼きます。ひっくり返して身の方に火を通したら完成です。レモン汁をかけると、とても美味しく頂けます。
スズキのムニエル・ポアレ
スズキは西洋風料理としてムニエルやポアレにしても美味しく頂けます。いずれも、食用油を使い皮をつけたまま焼くのが特徴の料理です。大型のスズキが釣れた場合、刺身にして余った身を西洋風料理にするのもおすすめです。
ムニエルは、切り身に粉を振り油を使って焼く料理です。塩こしょうを軽く振ったスズキの切り身に小麦粉を薄くつけ、一度余分な粉をはたいて、油を引いたフライパンで焼きます。焼く際はバターを加えてもよく、レモンや黒胡椒をかけると風味豊かになります。
また、ポアレは、ムニエルのように粉を振らず、香ばしくなるように焼きあげた料理です。スズキの切り身をポアレにする際は、野菜も同時に加え蓋をして焼くと、野菜の色どりもプラスされた鮮やかな料理になります。
まとめ
本記事では、釣りの対象魚として人気のある、.スズキについて、まず、どこに生息しどのような特徴があるのかなどをお伝えしました。スズキは古くから馴染みのある魚で、日本近海で捕獲されることが多いのが特徴です。
本記事では、スズキの代表的な釣り方をお伝えしました。釣れてからのエラ洗いする姿は、何回見ても迫力があります。また、スズキは食べても美味しい魚のため、ぜひ、ここでお伝えした料理を楽しんでみてください。
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