いろいろな釣りで大活躍してくれるリール。みなさんはリールのことをどのくらいご存じでしょうか?これからリールを使った釣りにチャレンジしてみたいと考えている人の中には、いったいどんなリールを選べばいいのか迷っている方も少なくないと思います。
そこで今回は、多くの釣りのジャンルで使われている3種類のリール(スピニングリール、ベイトリール、スピンキャストリール)を取りあげて、それぞれの特徴(メリット、デメリット)のほか、リール選びのポイントなどについてまとめてみました。
この記事を読んでもらえれば、初心者の方でもリール選びのコツが分かりますので、ぜひ最後まで目をとおしてみてください。
リールの種類まとめ!違いや選ぶ楽しみって?
今回紹介する3種類のリールは、それぞれ他のリールにはない素晴らしい特徴をもっています。その一方でマイナス面の特徴もあるため、釣りの種類によってはそのリールは向かないといったことも起こりえます。
それぞれのリールがもっている特徴(メリット、デメリット)をしっかり理解して、正しいリール選びができるようになりましょう。
リールの主な種類
- スピニングリール
- ベイトリール
- スピンキャストリール
スピニングリールは日本で最も多く使われているもので、リールの代名詞といえる存在です。とても扱いやすく、初心者にも重宝されています。汎用的な製品から、ある釣りに特化されたものまで数多くあり、自分にピッタリの1台を探すのが楽しいリールです。
ベイトリールは、他の2種類のリールに比べてラインを巻く力が強いため、大物狙いの釣りで昔から使われてきました。近年では特にバス釣りやトラウトの釣りで人気が高く、最新のテクノロジーを搭載したモデルが毎年のように発売され注目を浴びています。
スピンキャストリールは、ライントラブルが少ないことで有名なリールです。スピニングリールと同様に扱いやすく、初心者用として重宝されています。最近はあまり見かけませんが、日本での歴史は長く、ルアーフィッシングの黎明期に大活躍したリールです。
スピニングリールの特徴まとめ|どんな利用シーンにおすすめ?
スピニングリールの特徴は、なんといってもその扱いやすさにあります。子供から大人、そして初心者からベテランまで誰でも簡単に扱えて、さらにライントラブルも少ないことから、3種類のリールの中では最も普及しているリールとなっています。
汎用性がとても高く、堤防でのサビキ釣り(小物釣り)はもちろん、川や湖沼でのコイ釣り、エリアトラウトやバス釣り、さらには外洋でのヒラマサやブリを狙った大物釣りなど、幅広いジャンルの釣りで使われています。
このリールは、仕掛けを投げる際にラインにかかる抵抗が小さいといった特徴があります。このために軽い仕掛けでも遠投が可能で、小型で軽量のルアーを扱うエリアトラウトの釣りでスピニングリールがよく使われています。
また、他の2種類のリールに比べてドラグ性能が高いといった特徴もあり、引きが強くてよく走る魚(シイラ、ブリ、ヒラマサなどの青物)を相手にした大物釣りでも大変重宝されています。
スピニングリールのデメリット・適さない魚
デメリット①:ラインを巻き取る力が弱い
スピニングリールには、構造的な理由からベイトリールに比べてラインを巻き取る力が弱いといった特徴があります。これはスピニングリールでは「ハンドルを回す力」を「ラインを巻く力」に変換する際の力のロスが大きいことが影響しています。
このため、引き抵抗の大きな仕掛けをずっと巻き続けなければならない釣りには、スピニングリールはあまり向いていません。腕を痛めないためにも、ラインを巻き取る力の強いベイトリールを使うことをおすすめします。
大型のスピナーベイトやディープクランクで狙うブラックバスなど
デメリット②:手返しが悪い
スピニングリールは、手返しの速さが求められる釣りにもあまり向きません。仕掛けを投げる際に、ベイトリールは片手だけで操作ができるのに対して、スピニングリールでは両手が必要になります。
近距離に対して、投げて巻いてを繰り返すような釣りにスピニングリールを使うと、体力が大きく奪われて集中力を欠くことになります。
アシ際をピッチングで狙うブラックバスなど
スピニングリールの選び方
ここでは、スピニングリールの選び方について解説します。以下に記した3つのポイントについて事前に決めておけば、自分の釣りにふさわしいリールをスムーズに選ぶことができます。
スピニングリールを選ぶポイント
- どんな釣りに使うのかを決める
- 必要なラインの仕様を確認する
- リールの購入予算を決めておく
まずは、自分がどんな釣りにスピニングリールを使いたいのかを決めましょう。釣りの種類や狙う魚の大きさによって、リールのSPEC(仕様)が変わってくるからです。
釣り雑誌などに目をとおして、その釣りで使われているラインの種類(ナイロン、フロロ、PE)、太さ(号数)、強さ(ポンド)、必要な巻糸量(メートル)などの仕様を確認してください。
これらが分かると必要なリールの大きさが決まります。あとは、リールメーカーの商品カタログの中から仕様にあったリールを購入予算内で選ぶだけです。
ベイトリールの特徴まとめ|どんなメリットがある?
ベイトリールの一番の特徴は、仕掛けを投げる際の手返しの良さです。スピニングリールの場合は、リールを持つ手の人差し指でラインを押さえたあとに、もう一方の手でリールのベールアームを持ち上げないと仕掛けを投げることができません。
ところがベイトリールの場合は、リールを持つ手の親指でクラッチレバーを押しさえすれば投げる準備が整います。つまり片手さえあれば仕掛けが投げられるという訳です。
ほんのわずかな違いと感じるかもしれませんが、一日中投げて巻いてを繰り返すルアーフィッシングでは、この手返しの差が釣果に影響してくることもあるのです。
また、ベイトリールにはラインを巻き取る力が強いといった特徴もあります。巻き抵抗の大きな仕掛けや重たい仕掛けの釣りで使うと、他のリールに比べて体への負担を大幅に減らすことができます。
他にも、仕掛けを投げる際にスプールから放出されたラインが、ガイドに干渉しづらいことから、太いラインでの遠投性能に優れていることもベイトリールの大きなメリットだといえるでしょう。
ベイトリールのデメリット・適さない魚とは?
デメリット①:ライントラブルが起きやすい
ベイトリールには、仕掛けを投げる際にライントラブルが起きやすいというデメリットがあります。これは主にバックラッシュと呼ばれており、ひとたびこれが起こると最悪の場合、釣りが続行できなくなる場合もあります。
このバックラッシュを避けるためには、リールに搭載されたブレーキシステム(マグネット、遠心力、DCブレーキなど)を活用し、さらに使用者本人がサミング動作(リールを持つ手の親指でスプールの回転を制御すること)をしっかり行う必要があります。
ブレーキシステムもサミング動作も使いこなすには慣れが必要です。初心者の方がいきなりベイトリールを使うと戸惑うことになるかもしれません。
デメリット②:軽い仕掛けが投げづらい
ベイトリールは他の2種類のリールと比べて、軽い仕掛けが投げづらいといったデメリットがあります。これは、ラインが放出されるとそれに合わせてスプールが回転するというベイトリールならではの構造からきています。
スプールの重さがラインの放出を妨げることが原因であるため、各リールメーカーでは軽くて丈夫なスプールの開発を進めています。
1g前後の軽いルアーで狙うエリアトラウトなど
ベイトリールの選び方
ベイトリールの選び方は、基本的にはスピニングリールと同じです。まずは上で書いたスピニングリールの選び方の内容に目をとおしてみてください。ここでは、その内容を踏まえたうえで、さらに注意が必要なポイントについて解説します。
ベイトリールを選ぶポイント
- 海で使う場合は注意が必要
- リールハンドルの位置を確認する
- ブレーキシステムを確認する
ベイトリールを海で使う際は、必ず海水仕様のものを選ぶようにしてください。リールの中には淡水で使用することを前提に作られたものがあります。これを海で使用してしまうとリールの金属パーツが塩水でサビてしまい、最悪は使用できなくなってしまいます。
ベイトリールを選ぶ際は、ハンドルの取り付け位置(右か左か)を必ず確認してください。他の2種類のリールでは、ハンドルの位置を左右付け替えられますが、ベイトリールはこれができないためです。左右どちらが使いやすいのかよく考えてから選ぶようにしましょう。
ライントラブルを防ぐために搭載されたブレーキシステムにはそれぞれ特徴があります。性能はいいが初心者が扱うのは少し難しい遠心力、高額だが性能もよく初心者でも扱えるDC、2つの中間的位置にあるマグネットなどがあるので、よく考えて選びましょう。
スピンキャストリールの特徴まとめ|おすすめの利用シーンは?
スピンキャストリールの一番の特徴は、その扱いやすさにあります。スピニングリールと同様にライントラブルも少ないため、初心者におすすめのリールとしてよく紹介されています。
また、スピンキャストリールは、仕掛けを投げる際の手返しの良さも魅力です。ベイトリールと同様にリールを持つ手でクラッチレバーを押しさえすれば準備は完了。片手で仕掛けが投げられます。
さらに、ベイトリールが苦手とする軽い仕掛けも投げられるといった特徴まであり、ある意味無敵といえるかもしれません。
最近では、一部のバスプロたちが、超軽量ルアーを操るピッチングの釣り(パワーフィネスという)でこのリールを使用。大会で好成績をおさめたことからスピンキャストリールに注目が集まっています。
このように、スピニングリールのもつ「扱いやすさ」と「軽い仕掛けが投げられる」特徴と、ベイトリールのもつ「手返しの良さ」の特徴。これら2つのいいとこ取りをしたものがスピンキャストリールです。
スピンキャストリールのデメリット・適さない魚を解説!
デメリット①:太いラインでは仕掛けが遠投できない
スピンキャストリールには、太いラインでは仕掛けを遠投できないといったデメリットがあります。この特徴はリールの構造からきており、ラインがスプールから放出されるときに、スプールを覆うカバー(フロントカップという)にラインが接触するのが原因です。
砂浜での投げ釣りで狙うシロギスやカレイなど
デメリット②:ラインが傷つきやすい
スピンキャストリールには、ラインが傷つきやすいといったデメリットもあります。この特徴もリールの構造からくるもので、ラインがローターやピックアップピン、フロントカップなどに常に接触して擦れてしまうのが原因です。
このリールを使う際には、擦れに弱いPEラインを使うのは避けた方がいいでしょう。擦れに対して比較的強いとされている、ナイロンやフロロカーボンラインでも細いものを使用する際は注意が必要です。
PEラインを使ったエギングで狙うアオリイカなど
スピンキャストリールの選び方まとめ
スピンキャストリールの選び方も、基本的にはスピニングリールと同じです。まずは上で書いたスピニングリールの選び方の内容に目をとおしてみてください。ここでは、その内容を踏まえたうえで、さらに注意が必要なポイントについて解説します。
スピンキャストリールを選ぶポイント
- 2種類のタイプがあるので要確認
- ギア比をよく確認する
- ローターとピンの材質に注意
スピンキャストリールには、ロッドに対して上側にリールを取り付けるタイプと、下側に取り付けるタイプ(こちらはアンダースピンという)の2種類があります。それぞれ使用するロッドのグリップ形状が変わってきますので注意してください。
スピンキャストリールは、他の2種類のリールに比べてギア比が低い製品が数多く販売されています。ギア比が低いと、投げた仕掛けを回収するのに時間がかかります。このリールの特徴である手返しのよさを求めるなら、少しでもギア比の高い製品を選ぶのがいいでしょう。
このリールのデメリットである、ラインが傷つきやすい問題を改善するために、ラインが触れる個所に改良をくわえた製品が販売されています。ローターの表面に特殊加工を施したり、ピックアップピンの材質を変えたものなどがあるのでよく確認しましょう。
まとめ
今回は多くの釣りで使用されている3種類のリール(スピニングリール、ベイトリール、スピンキャストリール)を対象に、それぞれの特徴とリールの選び方について解説しました。
各リールに対する理解が深まり、自分はどのリールを選べばいいのかイメージしやすくなったのではないでしょうか。
もしそうであれば、次はぜひ釣具店に足を運んでみてください。そこで実際にリールを手に取り、お店のスタッフさんの話を聞けば、自分の選択が正しいのかどうか確認できるはずですよ。
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