目が特徴的な魚メバル。「釣って楽しく、食べて美味しい」で知られており、多くの釣り人が好んで釣りに行くぐらい人気の魚で、主にメバルを狙う釣りのことを「メバリング」と言います。
メバルについてよくわからない人も多くいると思います。
そこでこの記事では、メバルとはどんな魚なのか、メバルを釣るにはどういった仕掛けが必要なのかなどを解説しています。
また、メバルの味や調理方法についても紹介しているので、ぜひ最後まで見ていってください。
メバルってどんな魚?生態や特徴
分類:スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属
メバルとは、その名のとおり目が特徴的な魚で、目が大きく、見張っているようなことから「目張る(メバル)」や、春先に釣れる魚ということで「目春(メバル)」と名づけられたそうです。
大きさは20cm前後が多く、最大で35cmを超え、大きなメバルになると目の大きさが10円玉ぐらい大きいことから「10円メバル」と呼ぶところもあります。
頬のあたりや上唇、おしり、腹びれなどさまざまな箇所にトゲがあり、特に背びれは13本のトゲがあって、釣りあげたときや調理するときには、トゲが刺さらないように注意しなければなりません。
メバルは、海の中で「斜め上」を向いて泳いでいることが多いです。
なぜかというと、メバルは小魚やイカなどを好んで捕食する肉食魚で、中層付近にいるエサとなる魚などを海底から一点で見つめ、捕食できる機会をうかがっているからです。
大きな目で魚を一点で見つめることから「一点にらみ」と古くから呼ばれています。
更に、メバルは非常に目がいい魚で、海が時化て海中が濁っているときは釣れにくいため、海が時化ていない穏やかな状態で釣りやすい魚です。
海が穏やかな状態で釣りやすいということで、海が穏やかなときのことを「メバル凪」と古くから呼ばれています。
メバルは3種に分類
従来私たちは、「メバル」と呼んできましたが、2008年に「アカメバル」「クロメバル」「シロメバル」の3種類に分けられました。
なので、2008年以降に発行された図鑑には、「メバル」と表記されていません。
以前までメバルは、「深い場所にいれば赤っぽい」「浅い場所にいれば黒っぽい」と考えられてきました。
しかし、色での判断は個体差があり、識別するには難しいとされてきました。
そこで発見した判断方法が「胸ビレの数」です。
メバルの胸ビレを一本ずつ数えることで、「アカメバルは15本」「クロメバルは16本」「シロメバルは17本」であることが判明しました。
また、DNAを調べてみても、「アカメバル」「クロメバル」「シロメバル」のDNAは交わることがないことから、完全に種が異なることが分かりました。
メバルは産卵ではなく出産
魚は卵を海藻などに付けたり、海中に卵を排卵したりするいわゆる「産卵」を行いますが、メバルは違います。
メバルは、冬になるとお腹の中で卵から赤ちゃん(稚魚)を産んでから海中に産んでいくため、まさに「出産」と呼べるでしょう。
出産されてきたメバルの赤ちゃんはヒレがしっかりとできていない「仔魚」の状態で出てきます。
メバルの赤ちゃんたちは、海藻などに集まって成長していき、初夏になると、深い藻場へ移動します。
2~3年でほとんどの個体が成熟しますが、成長スピードは他の魚に比べて遅く、5年で20cm程度にしかなりません。
メバルの生息地は?日本では釣れる?
メバルは、日本でも良く釣れる魚で、全国の沿岸部に生息しています。
分類ごとの生息地は以下のとおりです。
- アカメバル … 北海道積丹半島から長崎県までの日本海・東シナ海沿岸、津軽海峡から紀伊水道までの沿岸、瀬戸内海、宮崎県に分布
- クロメバル … 津軽海峡から長崎県までの日本海・東シナ海沿岸、津軽海峡から紀伊水道までの太平洋沿岸、瀬戸内海、高知県以布利に分布
- シロメバル … 津軽海峡から九州北西岸までの日本海・東シナ海沿岸、津軽海峡から三重県までの太平洋沿岸、瀬戸内海に分布
メバルは、場所などのポイントを抑えれば、年間を通して釣れる魚ですが、出産を行う11~4月がハイシーズンで、3~5月は捕食対象である小魚などを活発に捕食する時期なので特に釣りやすい時期と言えます。
逆に水温が上昇する夏場は、ほとんどの個体が深場に行ってしまうため釣れにくくなってしまいます。
メバル釣りの方法や仕掛け方法
ワームやプラグなどのルアーを使ってメバルを釣ることを「メバリング」といいます。
メバリングで使用するルアーは、ソフトルアーであるワームなどを使うのが基本的ですが、夜の時間帯やハイシーズンの釣りでは、ハードルアーであるプラグなどを使うのも効果的です。
メバリングで使用する道具は以下のとおりです。
- ロッド
- リール
- ライン
- リーダー(ラインがPEの場合)
- スナップ
- ルアー
ロッドの長さは、「6ft後半~7ft」を使うのが基本的ですが、身長に応じてロッドの長さを選ぶといいでしょう。
リールは「1000~2000番」、ラインは「ナイロン3~5lb」「フロロ3~5lb」「PE0.3号」を基本的に使用し、初心者の方は比重が水より重く、沈みやすいフロロを選ぶことをおすすめします。
ナイロンやフロロの場合、糸の先端に「ショックリーダー」を結束させる必要はありませんが、PEの場合、糸の先端にナイロンやフロロのショックリーダーを結束させる必要があります。
PEは、根ズレ(岩や海藻の根でラインが傷つくこと)や歯ズレ(魚の歯で傷つくこと)に弱いため、ショックリーダーを結束することにより、ラインが切れる(ラインブレイク)を防ぐ効果があります。
ルアーをラインの先端に付ける際に便利なのが「スナップ」。
スナップがあることで、ルアーチェンジをする際に素早く取り替えることができるので、手返しが良くなります。
メバリングの釣り方は、ワームやプラグでも基本的には「ただ巻き」です。
リールを巻くスピードはハンドル1回転につき1秒や2秒、3秒など、とにかくゆっくり巻くことがポイントです。
メバルは夜行性で、日中はボトム(海底)にいることが多いですが、夕マズメから夜にかけてだんだんと中層から表層付近まで浮いてきます。
なので狙うレンジは、釣行に行く時間帯によって変えてみましょう。
メバルの味や調理法
スーパーや市場などで売られているメバルは、沖合で漁師さんが捕ってきた「ウスメバル」というものがほとんどですが、釣り人が堤防などで釣るメバルは「クロメバル」が多いです。
クロメバルはウスメバルよりも脂のノリがよく人気があります。
メバルの定番的な調理法は「煮つけ」で、30cmを超えるメバルであれば「刺身」でも食べることができます。
今回は、スーパーなどでも良く売られていて、釣りでもよく釣ることができる15~20cmの個体をおいしく調理するために、「メバルの姿煮」の調理法を紹介します。
メバルは頭からいいダシを取ることができるため、ぜひ姿煮に挑戦してみてください。
h3メバルの下処理
まずは全体的に尾っぽから頭に向かって鱗を取っていきます。
メバルの鱗は細かいので、包丁でも簡単に取ることができます。その際にシンクの中で水を出しながら鱗取りをすることで、周りに鱗が飛び散らず、キレイに鱗をとることができます。
今回は姿煮を作るので、背ビレや尾ヒレの細かいところはもちろん、顔の周りの鱗も丁寧に取るようにしましょう。
次にお腹を捌き、内臓をとったら、エラ蓋を開きエラを根元から取っていきます。エラを取らないと血生臭くなってしまうので注意しましょう。
内臓をとった腹の切れ目から血合いを切りつけ、水でよく洗います。
下処理の最後の仕上げに「湯引き」を行います。湯引きをすることで、ヒレや皮に残ったヌメリを取ることができるほか、取り切れなかった細かい鱗も取り除くことができます。
湯引きをすると身が割れてしまうので、何本か包丁で切れ目を入れておくといいです。
「沸騰したお湯」と「氷水」を用意し、沸騰したお湯にメバルをくぐらせ、全体が白くなったら氷水にくぐらせ、全体の汚れを落とします。
メバルを煮つけていく
煮つけの味付けには以下の材料を使います。
- 水
- 酒
- 砂糖
- みりん
- 醤油
初めに鍋やフライパンに水を入れます。煮つけの際に水ではなくダシを入れる人もいますが、メバルの煮つけはダシから味付けをしてしまうと味が喧嘩をしてしまうので水から行った方がいいです。
酒は、メバルの臭みを消してくれる効果があるため、多めに入れても大丈夫です。甘めの味付けが良ければ砂糖は多めに入れ、辛めの味付けが良ければ砂糖は少な目に入れます。
みりんは煮崩れ防止のために入れるため、「水」「酒」「砂糖」「みりん」を入れて沸かしましょう。
沸いたところに下処理をしたメバルを入れ、落し蓋をしながら5~7分煮込みながら醤油を足していきます。醤油を最初に入れない理由は、砂糖の方が醤油よりも分子が大きく、味が入りにくいため、最初に砂糖で煮込んであげて、最後に分子の小さい醤油を入れながら味を調整しなければならないからです。
醤油を入れる際は、2~3回に分けながら徐々に入れていき、全体で15~20分程度で仕上げるイメージで調理するといいでしょう。
最後に照りを出したい場合は、みりんを入れることで調整することができるので、好みでやってみてください。
また、煮つけたメバルは非常に身崩れを起こしやすくなっています。盛り付ける際は注意してお皿に移すようにしましょう。
まとめ
メバルは、比較的どこの海でも釣ることができるメジャーな魚で、メバリングという名前があるだけあって、釣り人からも人気のある魚です。
2~5月ごろでは、スーパーなどでも多く売られているため手に入れやすく、調理も簡単にすることができます。
脂の乗ったメバルは、煮つけはもちろん、刺身も好んで食べる人が多くいるほど人気があります。
釣って楽しく、食べておいしい魚、メバル。まだ釣ったことがない人や食べたことがない人は、この記事を参考に、ぜひメバルを楽しんでみてください。
コメント