海の荒くれ者「カマス」とは?生態や釣り方、調理法を徹底解説!

簡単な仕掛けで数釣りが楽しめる『カマス』は日本の海に広く生息しており、堤防など身近な場所で釣れる人気のターゲットです。

見た目によらず獰猛で肉食の魚なので、ルアーにも果敢にアタックしゲームフィッシュとしても人気があります。また、秋カマスは嫁に食わすなということわざがあるように、旬のカマスは脂がのってとても美味しい魚でもあります。

そんな、釣って良し食べて良しのカマスについて生態や釣り方、調理法をご紹介します。

目次

カマスってどんな魚?生態や特徴

分類:スズキ目カマス科

カマスは、日本近海でよく釣れる魚の一つです。ここでは、その生態や特徴について解説します。

カマスは銀色の体を持ち、背中側には青緑色の模様が入っています。体は細長く、流線型で泳ぐのが得意です。突き出た下あごが特徴的で鋭い歯をもちます。一般的なカマスは大きさは20〜30cmほどまで成長しますがオニカマスと呼ばれるカマスは大きさが2メートルと大型に成長するカマスもいます。

日本では、ヤマトカマスとアカカマスの2種類が主に釣れます。ヤマトカマスは初夏に旬を迎え、アカカマスは初秋に旬を迎えます。どちらも美味しいカマスとして知られています。

カマスは非常に獰猛なフィッシュイーターで、群れを作って沖合や河口で餌を追います。ルアーやサビキ釣りなどの釣り方に良く反応し、初心者でも釣りやすい人気のターゲットです。

人間にも攻撃してくる海の荒くれ者!?

引用:pixabay

カマスの中にはオニカマスといって大型で鋭い歯をもつカマスがいます。英語名は「Barracuda(バラクーダ)」です。

ファインディング・ニモの作中で主人公を襲った魚で知っている方もいるのではないでしょうか?

そんなオニカマスは最大で2メートルまで成長します。さらに、画像のように歯が鋭く泳ぐ速さも時速150キロと、とんでもない速さです。性格が獰猛なオニカマスは人へも容赦なく攻撃してくるので、ダイバーの被害が多く報告されており注意が促されている魚です。

江戸時代から親しまれていたカマス

江戸時代にはカマスには梭魚や梭子魚という別名がありました。これは、カマスの姿が機織りの梭(さ)に似ていることから名付けられたものです。

また、カマスとは別に、雑穀や塩、魚の塩干物を入れる袋を「叺(かます)」と呼ぶこともあります。叺は元々、蒲を編んで作られた袋であり、口が大きいという共通点からカマスと同じ名前が使われたのです。

これらの呼び名は、カマスが当時から身近な存在であったことを物語っています。歴史的な背景や名前の由来からも、カマスは日本の食文化や生活に深く根付いていたことがわかります。

カマスの生息地は?日本では釣れる?

カマスの生息地は世界中の海洋で見られます。日本国内では、太平洋沿岸や日本海などの沿岸域に広く分布しています。また、カマスは温帯から亜熱帯の海域に生息し、北太平洋や大西洋の一部でも見られます。

カマスは水深の浅い場所に生息しており、群れを作って行動することが多いです。カマスの群れは非常に大きく「カマス一匹、底千匹」という言葉があるように、1匹釣れればそこにはまだたくさんのカマスがいるほど大群で回遊します。成長し大型のカマスになると浅場から水深100メートル以上の深場へ移動します。

日本では北海道から九州までの沿岸地域に生息しています。海外では、アメリカ合衆国の東海岸や西海岸、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどでもカマスが見られます。

日本のほぼ全域の沿岸で釣ることができるのがカマスです。ただし、群れで回遊する魚の性質上、釣り場に群れが入らないと釣れません。釣り場の釣果情報を調べて回遊実績があるポイントを選ぶとよいでしょう。

カマス釣りの方法や仕掛け方法

引用:pakutaso

カマス釣りの方法は数を釣りたいのであればサビキ釣り、ゲーム性を楽しむのであればルアー釣りと2種類の釣り方で狙えます。

サビキ釣り

サビキとは、糸に複数本擬似針がついた仕掛けです。

サビキ釣りはこのサビキ仕掛けを海へ投入して釣る方法で、イワシやシラスなど小魚を捕食するカマスに有効な仕掛けです。

本来、サビキ釣りはコマセカゴを付けて撒き餌をするのですが、カマス釣りにおいては必要ありません。ただし、カマス専用のサビキを使うことをおすすめします。カマス専用のサビキ仕掛けは、擬似針が大きく、より小魚っぽく演出できアピール力が優れているからです。

タックルはスピニングタックルがキャストもしやすいのでおすすめです。釣り方は、仕掛けを投入し巻いてくるだけです。また、カマスは回遊していますので仕掛けをキャストして広い範囲を探るのも有効です。

ルアー釣り

ルアーとは擬似餌のことです。小魚やイソメに似せたものなど様々な種類があります。カマスは小魚を捕食するので、小魚を模したルアーを選択すると良いです。タックルは、使用するルアーの重さが扱えるスピニングタックルがおすすめです。

釣り方は、ルアーをキャストして巻いてくるだけです。サビキ釣り同様広い範囲を探ると釣れる可能性が上がります。

カマスの味や調理法

引用:写真AC

カマスは淡泊な白身で、クセがなく食べやすい魚です。身質はやや水っぽい特徴がありますが、その分干物にすると身がしまり、旨味も一層濃厚になります。スーパーでも見かけることがあり、手軽に楽しめる美味しさです。

カマスの旬は初夏の6~8月と初秋の11月頃の2シーズンです。初夏には「ヤマトカマス」が旬を迎え、初秋には「アカカマス」が美味しい時期となります。ヤマトカマスはアカカマスに比べると味はやや劣りますが、旬の時期なら間違いなくおいしい魚です。

カマスの魅力は淡泊ながらも美味しさを引き立てる特性や、旬の時期に堪能できることです。手軽に入手できるので、ぜひカマスの美味しさを味わってみてください。以下におすすめの調理法を3つご紹介します。

カマスの一夜干し

程よく水っぽい身質が特徴のカマスは、一夜干しにすることで素晴らしい味わいを楽しめます。腹開きにし内臓を取り除いた後、5~10%の塩水に漬け込みます。漬け込む時間は1時間前後で、より濃い味を好む方は長めに調整しましょう。

その後、水気をしっかりと取り、風通しの良い場所または脱水シートで包んで冷蔵庫で乾燥させます。約1時間ごとに乾燥具合を確認しましょう。

絶妙に仕上がったカマスの一夜干しは、うま味が凝縮された絶品の一品です。カリッとした食感と豊かな味わいが楽しめます。

カマスの一夜干しは手軽に作れる上に、干物の魅力を存分に堪能できる料理です。ぜひ、自宅で試してみて、その美味しさを存分に楽しんでください。

カマスの塩焼き

水分が多く焼くとビシャっとしてしまいがちなカマスですが、一手間かけることで格段に美味しく食べられる焼き方をご紹介します。

カマスはウロコを取り、腹を裂いて内臓とエラを取り除きます。丁寧に腹の中を流水で洗い、血合い肉などを取り除きます。

カマスに軽く塩を振って、水っぽさを抜き、生臭みを取ります。魚の水分をペーパータオルで拭き取り、必要なら再度塩を振ります。焦げやすい尾部はホイルで包みましょう。

グリルで片面を約8分ほど焼き、ひっくり返してさらに2分焼きます。火を通して完成です。

カマスをこのように丁寧に焼くと、ふっくらとした食感と香ばしい味わいが楽しめます。ぜひ試してみて、絶品の焼きカマスをご堪能ください。

カマスの炙り

カマスのお刺身は、皮をひかずに炙って焼霜にすると、さらに美味しさが引き立つからです。カマスの皮は独特の風味があり、お刺身にする際にはそのまま活かすことをおすすめします。皮の表面を軽く炙って焼霜にすると、香ばしさが加わり、味わいも一層深まります。

まず、カマスをきれいに下ごしらえし、皮をひかずにお刺身の厚さに切ります。炙る際には、皮の表面にバーナーなどで火をあてて軽く焼きます。そうすることで、皮の香りや食感が引き出され、一味違った楽しみが生まれます。

炙ったカマスのお刺身は、香ばしさと旨味が調和した絶品の一品となります。ぜひ、この方法で極上のカマスのお刺身をお楽しみください。その美味しさに感動すること間違いありません。

まとめ

画像引用:pixabay

本記事では、カマスの生態や釣り方、調理法について解説しました。

カマスは、日本近海で釣ることができる魚です。非常に大きな群れで回遊するので、一匹釣れれば数釣りが狙えます。

釣り方はルアー釣りかサビキ釣りがおすすめです。2つの釣りもただ巻くだけでテクニックが必要ないので初心者の方でも簡単にできます。

おすすめの調理法は干物や塩焼き、炙りです。カマスの旬は初夏の6~8月と初秋の11月頃の2シーズンです。初夏には「ヤマトカマス」が旬を迎え、初秋には「アカカマス」が美味しい時期となります。是非、旬のカマスを美味しく調理して味わってみてください。

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