ダツについて知ろう!生態や特徴、釣り方に美味しい食べ方もご紹介

漁港や堤防でライトゲームを楽しんでいると、突然ひったくられるようなアタリに驚かされることってありますよね。不意の大物に大興奮しながらファイトしたあと、上がってきた魚の細長さ尖りっぷりにさらに驚いたという経験がある方は少なくないはず。

今回は、そんな多くの釣り人を驚かせてくれる「ダツ」について解説します。前半でダツの生態や釣り方について、後半で美味しい食べ方を紹介しますが、なかなかに“危険な魚”なので、釣りをする際は十分に注意してくださいね。

目次

ダツってどんな魚?生態や特徴

引用元:写真AC

分類:ダツ目ダツ科

ダツ(駄津、英名ニードルフィッシュ)は、サンマやサヨリのように細長くアゴが尖っている魚です。同じダツ目のサンマとサヨリは下アゴだけが尖っていますが、ダツは両アゴが尖っていて鋭い歯もあるのが特徴です。

背中側がキレイに青く、腹側は銀色になっており、ヒレが小さい上に胸ビレ以外は細長い体の後半部に集中してついています。全長1m以上になる個体もいますが主に小魚を捕食しており、鱗が反射する光に敏感に反応して突進する性質を持っています。

ダツの旬はまだ寒さが残る初春から夏にかけてで、脂の少ない透明感のある白身は色々な食べ方ができますが、小骨が多いこともあって食用としてはあまり人気がありません。定置網や刺し網などの沿岸漁業で獲れ、釣りにもよく掛かりますが、鋭いアゴと歯があるため取り扱いには十分な注意が必要です。

ダツの背骨は青い

ダツが食用として人気がない理由に、骨が硬かったり小骨が多いなど食べにくさが挙げられますが、実はもう一つ大きな理由があります。実は、ダツの背骨はキレイな青色をしているのです。魚をさばいて青い骨が出てきたら、あらかじめダツについて知っている人でない限り食欲をなくしてしまいますよね。

ダツの骨が青くなる理由は、胆汁色素の一種である「ビリベルジン」がカルシウム塩を作り、骨に沈着するからです。青いからといって毒があるわけではなく、同じダツ目であるサンマもまれに骨が青くなることがあります。

ダツが様々な事故の原因に

小魚の鱗に反射した光めがけて突進する性質があるダツは、夜釣りやダイビングにおいて多数の事故を起こしています。夜釣りの際に水面をライトで照らしたらダツが飛び出してきた、ダイビング中に突然刺さってきたなど、目の前でキラリと光れば躊躇なく突っ込むのです。

魚の習性なので仕方ないことではありますが、沖縄県の漁師はサメと同じくらい危険視しているのだとか。もしも釣りやダイビング中にダツが刺さってしまったら、パニックになって抜くと失血死する可能性が高くなるため、ダツの頭を切り離して抜かずにそのまま病院へ行きましょう。

ダツの生息地は?日本では釣れる?

引用元:写真AC

ダツは温かい海域を好む魚で、熱帯から亜熱帯に多く見られます。日本では北海道から九州まで広く分布し、日本海や太平洋、東シナ海沿岸の浅瀬を群れで泳いでいるのを見かけます。

しかし、親潮(千島海流)の影響を受ける北海道太平洋側と東北地方太平洋側ではあまり釣れていないようです。ダツが狙える主なポイントは外洋に面した堤防サーフなどで、回遊があれば漁港内でも釣れることがあります。

ダツは釣り人の間ではライトゲームやショアジギングの外道として認知度が高く、鋭い歯でラインを簡単に切ってしまうので、実のところあまり歓迎されていません。釣れたとしても小骨が多く食べにくいこともあり、リリースする釣り人が大多数というのが現状です。

ダツ釣りの方法や仕掛け方法

引用元:写真AC

釣りの外道として有名なダツですが、他の魚が釣れないタイミングでも釣れてくれたり、小骨をしっかり処理して食べれば美味しいので、狙って釣る方も少なからずいます。釣り方は基本的にはルアーを使い、ダツの視野から外れないように表層で誘いましょう。

ダツ釣りにおすすめのタックル

アジングやメバリングに使うようなライトタックルで問題ありません。沿岸部の浅瀬を泳いでいるため、遠浅のサーフでない限りそこまで遠投する必要もないです。ただし、1m近い大型ダツが生息している地域では、下記でご紹介するものよりヘビーなタックル(シーバス用やショアジギング用)を用意しましょう。

ロッド

6~7ftのロッドが扱いやすくておすすめです。不意の大物に備えるという意味でも、アジングロッドよりしなやかで粘り強いメバリングロッドの方がいいでしょう。ダツの口は硬くフックが貫通しにくいので、オートマチックに掛かるソリッドティップのものを選び、ラインテンションを緩めないようにしてランディングします。

リール

2000番の小型リールで十分です。ラインを多めに巻きたい、他の釣りにも使いたいというのであれば2500番を用意しましょう。ラインはPE0.4~0.6号を巻き、リーダーは2~4号を使います。大型ダツを狙うなら、ラインはPE1.0~1.5号、リーダーは4~8号を使いましょう。

ルアー

表層を誘いたいので、シンペン・ミノー>メタルジグ>ワーム+ジグヘッドの順でおすすめです。ルアーは鋭い歯であっという間に傷だらけになるので、あまり高価なルアーは使わないほうがいいでしょう。重さはラインに合わせて5~10g程度を選び、沈まないように着水直後から巻き始めます。

ダツの味や調理法

引用元:写真AC

インターネットでダツを検索すると、関連キーワードに「不味い」と出てきます。たしかに骨の色が青かったり、小骨が多くて食べにくい魚ではありますが、実はとても美味しい魚です。

脂が少なく青魚特有の香りがあるので、お刺身や煮付け、フライにするといいでしょう。1m近いような大物なら、一匹で食べきれないほどボリューム満点のおかずになってくれます。ダツが釣れてもガッカリせず、たまには持ち帰って食べてみてくださいね。

ダツのお刺身

新鮮なダツが手に入ったら、青魚の香りほのかな甘み、そして程よい歯ごたえが楽しめるお刺身にしましょう。前部(頭側)は小骨が多いので、尾びれ側の身がおすすめです。

  1. ウロコを取ったら三枚におろし、アニサキス対策も兼ねて腹骨を厚めに削ぎ落とす
  2. 血合い骨を全て抜くか、血合いごと削ぎ落とす
  3. 皮をひいたら流水で洗って臭みを取り、キッチンタオルでしっかり水気を取る
  4. 歯ごたえと香りが楽しめるように、やや厚めのそぎ切りにする
  5. お皿に盛り付けて完成

皮を引く際に、銀皮を残してあげると見栄えがいいです。流水処理をしながらさばけば、全くといっていいほど臭みのないお刺身に仕上がりますよ。残ったお刺身は、ごま油1:みりん2:しょう油3:おろしニンニク少々で漬けにするのがおすすめです。

ダツのフライ

小骨が多い前側の身は、下味をしっかりめにつけてサクサクのフライにしましょう。ダツの身は火を通すと締まって固くなりますが、フライだとフワフワな仕上がり&程よくほぐれるので、小さなお子様がいる家庭にもおすすめです。

  1. ダツのウロコと内臓を取り、三枚におろして腹骨を削ぎ取る
  2. 血合い骨を残さず抜いたら、食べやすい大きさにブツ切りする
  3. 塩コショウで下味をつける(淡白さが気になるようであれば濃い目にする)
  4. 小麦粉、卵、パン粉の順でくぐらせたら、170℃の油で揚げる
  5. 油をしっかり切ったら、お皿に盛り付けて完成

脂が少ない身なので、パン粉を多めにつけサクサク感を増量させると最高のおかずになります。口の中でフワフワとほぐれる身は口当たりがよくまさに絶品。ほのかに青魚の旨みが感じられるので、魚好きなら一度はお試しください。

ダツの煮付け

「ダツをさばいたら肝だけでなく卵もあった!」という場合には煮付けにしてみましょう。ダツの旨みを逃がすことなく味わえますし、淡白な身に味がしっかり染み込んでご飯との相性は抜群です。

  1. ダツのウロコと内臓を取って三枚におろす
  2. お鍋に入る大きさに切り分け、味が染み込むよう皮目に数か所切り込みを入れる
  3. しょう油1:みりん1:お砂糖1:お酒&水1.5の煮汁を火にかける
  4. 煮汁がフツフツとしてきたら、皮目を上にしたダツの身と生姜を入れる
  5. 落し蓋をして煮汁を対流させながら、時おり煮汁を回しかける
  6. 中火で10分ほど煮たら、身が崩れないように取り出して盛り付ける

ダツの肝はカワハギよりあっさりしているものの、煮付けにすると美味しくいただけます。また、卵は大粒で食べごたえ十分。骨が多いので子供ウケは良くないですが、身がほぐれやすく変な臭みもないのでおすすめです。

まとめ

引用元:写真AC

釣り人から嫌われがちなダツですが、他の魚が釣れない時でも釣れてくれるし、食べてみれば実は美味しい魚であることがわかりました。こうして振り返ってみると、なぜそこまで嫌われているのか疑問に感じてしまいますね。

とはいえ、光を見れば鋭く尖ったアゴでいきなり突進してくる危険な魚なので、ダツが泳いでいるのを見つけたら水面から少し離れるようにしましょう。色々な魚の知識を身に着けて、楽しく安全なフィッシングライフをお送りください。

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