タチウオは成魚で1mを超え2m以上なる魚体で重さは2kg以上にもなる大きな魚です。
縦に長く平たいシルエットで外見は銀色にきらめき、美しくて美味しい白身魚として有名です。
長さよりも太さを重視されることが多く、指の本数で数えられることがあります。
指4本で大物、指5本以上でドラゴンなどと言われます。
今回はスーパーでもよく売られ、釣り人にも好まれるタチウオの生体や釣り方、調理法などを紹介しています。
月の光に照らされたタチウオはとても綺麗に見えることから釣り人に人気があり、骨が多いとして知られており調理法なども参考にしてみてください。
タチウオってどんな魚?生態や特徴
分類:スズキ目タチウオ科
タチウオは細くて長細い胴体から漢字では太刀魚と書かれ英語ではhair tailと呼ばれる魚です。
光に照らされた魚体は眩しく感じる程の白銀で脂身が少ない白身魚となっています。
成長速度が速いということはなく、1年で60cmほど成長し、1mを超えるまでには3年近くの月日がかかります。釣り人が釣り上げる大きいとされる150cmを超える成体は5年物と推定できます。
表面がグアニン色素層で覆われているため、白銀に輝き、鱗を持たない魚体となります。
タチウオの歯は鋭く発達しているので噛まれると歯が突き刺さる危険があるため、掴む場合は手袋でエラを掴んだりやフィッシュグリップなどの道具の使用を推奨します。
死後は光沢が無くなるので灰色となり、グアニン色素は人の指で簡単に落ちやすいので釣り上げた美しさは消えてしまう特徴があります。
タチウオの呼び名や由来
タチウオは漢字や地方での呼び名が違う事が多いことでも有名な魚です。
漢字には3種類あり太刀魚、魛、立ち魚と書かれることがあり、歴史的に見てみると剣に似ていることから刀という文字が使われています。
タチウオは海の中で回遊していますが、捕食しない時は頭を上に向けて立ち泳ぎする習性があるため、立ち魚と書かれていることもあります。
地方の呼び名ではタチ、カタナ、ハクウオ、サワベルなど魚体の見た目に関する名前で呼ばれることが多い魚です。
白身なのに脂質が多い
白身魚と言えばあっさりしていて淡白な印象がありますが、タチウオはタンパク質よりも脂質の成分が多い魚です。
脂といっても悪玉コレステロールを減らしてくれる自然の良い脂なので安心して食べれます。
食べた感触では脂身をあまり感じることはありませんが、成分として知っておけば魚でも豊富な脂を摂取することが出来ます。
魚の中でもDHAやEPAが豊富で脳細胞や神経組織の発達に必要な成分が多く含まれています。
DHAが多い魚としてマグロやサバ、ブリウナギが有名ですが、同じ魚ばかりでは飽きてしまうという方にもおすすめです。
タチウオの生息地は?日本では釣れる?
暖かい海を好む習性があり、日本では中部より南側で釣ることができ、海外ではアフリカやオーストラリアで釣ることができます。
気候が暖かくなるにつれて日本の海にも回遊してくるので釣ることができます。
8月〜10月がベストシーズンとなり釣果にも期待できる時期です。
寒くなるにつれて釣れにくくなりますが、大型を狙うのであれば成長した11月〜1月が狙いです。
プランクトンを狙った小魚を補助するので外灯がある堤防付近でも釣ることが出来ます。
大きな個体は水深50m〜100m付近に多く生息しているため、船で沖に出ると陸からでは見たことないようなタチウオを目にすることができます。
四季に応じて世界中で釣られることから海外でもよく食べられる有名な魚となっています。
タチウオ釣りの方法や仕掛け方法
タチウオは小魚を捕食する習性からジギングやエサ釣りと幅広い釣り方で釣ることが出来ます。
船釣りの場合は専用のテンヤ仕掛けを使用しオモリの下にテンヤを繋ぎ下方向に針を向かせて食いつかせます。
船や陸から釣り上げることが出来るジギングはメタルジグを使用します。
勢いよく食いついてくることがあるのでPEのラインを使用することで千切れ防止となり、歯が鋭いのでPEの先にフロロリーダーを付けることで摩擦にも強くなります。
メタルジグは60g〜100gで水深やサイズで大きさを変更しながら誘うのが基本です。
堤防からのウキ釣りはプランクトンが集まる光が強い場所がベストポイントです。
夜釣れることが多く、釣る場合は電気ウキを使用しタチウオ専用仕掛けを装着します。
プランクトンは衝撃で光ることもあるので針から1m離れた場所にケミホタルなど発光する仕掛けを装着することが一般的です。
エサはキビナゴが使用されることが多く、一口で丸呑みすることが少ないので専用の仕掛けには針が2つ付いています。
頭側としっぽ側に針を差し込むことでどちらから食いついても針がある仕組みとなっています。
タチウオはゆっくり食いつくことや下から上に向かって泳ぐので、食いついても慌てずゆっくり食わせたりやウキが急に横になったりすることがあるので慌てずアワセましょう。
タチウオの味や調理法
タチウオは骨が多いことで知られ、食べにくいと感じる方も多いと思われますが、骨の場所は背びれから中心にかけた部分と魚体の後ろ側に位置するお腹の部分に密集しています。
脂身が多いことから調理すると身がふっくらして身と骨が離れやすい魚です。
胴体が長いので食べやすいサイズにぶつ切りにすると調理も行いやすくて食べやすくなります。
調理法は刺身、塩焼き、天ぷらがおすすめです。
捌き方や味付けなどの調理法をこれから紹介するのでタチウオを釣りたい方や食べたい方は参考にしてみてください。
タチウオの刺身
タチウオの刺身は骨が多く難しいと思われていますが、大きめの個体なら刺身でも食べることが出来ます。
大きめの個体の理由は三枚おろしにした後五枚おろしの要領で中骨を落とすからです。
頭を落とし肛門の部分まで開いたら内蔵を出して下処理を行います。
通常の三枚おろしをするため背びれとお腹からガイドラインを入れて下ろしますが、背びれが多いので注意が必要です。
三枚に下ろすした後に中骨を取るために5枚おろしにして皮を引くと綺麗な身が出てきます。
脂質が多いので包丁に付いた脂をこまめに拭き取りながら行うと身が崩れることなく切り分けることが可能です。
長細い魚なので切り分けても長くなり横並びでも綺麗に見えますが丸めて花の様なイメージで盛り付けると美しく仕上がります。
タチウオの塩焼き
塩焼きも同様の下処理でまずは頭を落としてお腹を開けます。
内蔵を取り出したあとは食べる時に気になりやすい血合いを水で洗い流すことをおすすめします。
内蔵も取り終えたら食べやすいように背びれを取ります。
三枚おろしのように背中から1cmを目安に左右から切込みを入れると取りやすくなります。
キッチンペーパーなどで水分を拭き取り、大きさは焼きやすくて食べやすいサイズにかっとし塩を振って15分ほど寝かせます。
フライパンでもいいですが、脂質が多いのでグリルで焼く方が旨みがより感じられます。
中火で5分ずつ焼きますが、表面などを確認しながら焼き加減を確認してください。
何もかけずに食べても脂が多いので美味しいですが、大きなタチウオを捌くと量が多いので味に飽きないようにレモンや大根おろしなどと合わせるととても美味しいです。
タチウオの天ぷら
白身なので天ぷらにしても大変美味しい魚です。
下処理は塩焼きと同様に頭を落としたあと内蔵を処理して血合いを水洗いで綺麗に落としていきます。
15センチ幅で切った後五枚おろしの要領で背びれ側と腹側の骨を取り、この時に小骨も取っておくと食べやすいです。
背びれが気になる方は背びれの左右にVの字に包丁を入れると食べやすくなります。
切り分けた身から皮を引きますが、乾燥させすぎると綺麗に皮が引けず、身に付いてしまうことがあるのでサランラップなどを巻いて冷蔵庫へ保存しておきましょう。
皮を引いたら天ぷら粉か小麦粉を全体的にまんべんなくまぶします。
冷水と溶き卵を加えて混ぜ合わせますが、いっぱい付けるよりも全体的に軽くつけると揚がりやすくホクホクな食感を味わうことができます。
量がある場合は1度に全部揚げず、180度の油で数回に分けて泡が小さくなったタイミングで出来上がりです。
まとめ
今回はタチウオについて紹介しました。
タチウオは白銀に輝く綺麗な魚でカタナに似ていることから地方でさまざまな呼び名がある魚です。
船や堤防から釣ることができるので、ファミリーで夜釣りに行く際にも見た目や美味しさから子供が喜ぶ魚ではないでしょうか。
しかし、歯が鋭く素手で触るのは危険なので厚手の手袋やフィッシンググローブを使用して締めて下さい。
スーパーで売られていることも多く、脂質が多い特徴がある白身魚で身離れが良く美味しいです。
骨の箇所を把握して捌くとそこまで骨が多く食べづらいと感じることは少ないでしょう。
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