「とりあえず魚釣を始めたいんだけど、何から始めればいいのかな?」
「なるべくお金をかけずに魚釣りをしたいんだけど、どんな釣りがいいのかな?」
そんな方にぴったりの釣りが「ハゼ釣り」。ハゼは日本全国の川の下流や河口、漁港などに棲んでいるので、手軽に狙える身近なターゲットなのです。
しかし、いざハゼを釣りたいと思っても、いろいろと疑問が湧いてくるのではないでしょうか?
どんな魚でどんな場所に棲んでいるのか、釣り方や美味しい食べ方など、このような疑問について解説します
ハゼってどんな魚?生態や特徴
分類:スズキ目ハゼ科
ふつう「ハゼ」と呼ばれる魚の正式な名前は「マハゼ」で、北海道の南部から九州まで広く分布しています。
体長は最大で27cm~28cmぐらいまでになりますが、釣れるサイズはだいたい5cm~15cmぐらいが中心です。
褐色の魚体で頭はやや平たく、愛嬌のあるかわいらしい顔つきをしています。頭に比べて胴体はスリムで、おなかに吸盤状の腹ビレがあり、底をはうようにしながら移動します。
マハゼによく似た仲間に「ウロハゼ」や「サビハゼ」「シマハゼ」があり、いずれも「マハゼ」の外道として釣れる魚たちです。
ウロハゼはマハゼよりやや大きく、体が黒っぽいのが特徴。
サビハゼはマハゼよりも小型で背中に斑点状の模様があり、口には短いヒゲがあります。
シマハゼは頭からしっぽにかけて2本の縦縞があり、食べるというよりは水槽で飼って楽しむ魚ですね。
ハゼの生態
ハゼは海水と淡水が混じる汽水域や、内湾の砂や泥の底に好んで棲んでいます。
産卵は冬から春にかけて、海底に穴を掘って産卵するようです。
卵からふ化したハゼは、5月から6月頃には2cm前後、夏の終わりごろには5cm~7cmまでに成長し、浅場に群れを成して活発にエサを求めるようになります。
この頃の小ハゼは「デキハゼ」と言って警戒心が弱いので、ビギナーや子供にでもカンタンに釣ることができます。
いっぽう秋の終わりから冬になると、ハゼは水温の安定する深場へ移動し、体長は18cm~20cmに成長します。
この頃のハゼを「ケタハゼ」といい、アタリが渋く、釣るのが難しくなるので、中級者~上級者向けの釣りになります。
冬から春にかけて産卵を終えると、大半のハゼは一生を終えるといわれていますが、中には2回目の産卵をする個体もいるようです。
ハゼの生息地は?日本では釣れる?
日本でのハゼの生息地は北海道の南部から九州にかけて、ほぼ日本全国の河口部や内湾、入り江、砂浜など、身近なところに棲んでいます。
東京湾でも秋になると、運河でハゼ釣りをする人をたくさん見かけるようになります。
ハゼ釣りのポイントは日本各地にあって、写真のような入り江や河口域、海底が砂や泥の内湾などは、ハゼ釣りの好ポイントになっていることが多いです。
ハゼ釣りの方法や仕掛け方法
ひとくちにハゼ釣りと言っても、手軽な釣りからマニアックな釣りまでいろいろありますので、ここでは「手軽さ」にターゲットを絞って紹介してみたいと思います。
ハゼのチョイ投げ
本格的な投げ釣りではなく、文字通り「チョイ」と投げるのがこの釣り方。
ハゼは驚くほど浅いところに群れをなしていることが多いので、さほど遠投をする必要はありません。
ですから、わざわざ本格的な投げ釣りタックルを準備する必要はなく、リール付きコンパクトロッドにテンビンとオモリ、チョイ投げ用の仕掛けを結ぶだけでOK。
コンパクトロッドが無くても、エギング用やバス用のロッドでももちろんOKです。
仕掛けを投入したら、少しずつリールを巻いて、エサの動きを演出するようにしましょう。
その理由は、ハゼは動くものに興味を示すからです。
これでもしエサが取られないようなら、遠くに投げたり近くに投げたりしてハゼの居場所を探ってみましょう。
夏から秋のハゼはビックリするほど手前で釣れる事がありますよ。
投入ポイントを変えてもエサが残るようなら、早目に見切りをつけてポイントを移動したほうがいいですね。
釣果のコツは”ハゼの居場所を見つけること”。
気になるポイントはどんどん探ってみてくださいね。
ハゼのミャク釣り
ミャク釣りはリールのない「ノベザオ」を使って釣ります。
チョイ投げに比べて遠くのポイントが狙えない反面、手返しよく効率的に釣ることができ、またチョイ投げよりも微妙なアタリを拾うことが出来るという利点があります。
仕掛けはノベザオに1号のナイロンの道糸を結び、三つ又サルカンの片方にナス型のオモリ、もう片方にハリス付きの針を結ぶだけのシンプルなもの。
仕掛けを振り込んでオモリが底に着いたら「チョンチョン」と竿先を動かして、エサの動きを演出するといいですよ。
ノベザオは長ければ長いほど広範囲を探ることが出来ますが、扱いやすさを考えると3mから5mぐらいの万能竿や渓流竿がちょうどいいと思います。
ハゼのウキ釣り
ウキ釣りはチョイ投げのように「投げる」という技術がいらない上、目で見てアタリが分かるということから、ビギナーや子供でも楽しめる釣り方です。
ウキ釣りは「エサが海底を引きずるようにウキ下を調整する」ことがコツ。
ハゼはたいがい海底にいることが多いので、エサが海底から離れてしまうとアタリが極端に減ってしまうのです。
竿はノベザオ、リール竿のどちらでもOK。
ハゼ釣りの場合、ウキは棒ウキよりは玉ウキやシモリ玉の方が使いやすいです。
潮の流れにまかせてエサが海底を引きずるように、ウキ下を調節してみてください。
潮の流れでエサが動くので、これがハゼへのアピールになります。
なお、仕掛けを流すときには周りの釣り人の邪魔にならないように気を付けましょう。
ハゼ釣りのエサ
エサはジャリメやアオイソメなどの虫エサがよく、この2つはハゼ釣りのテッパン餌ですね。
エサは針先から1cmぐらい垂らすように付けるといいでしょう。
また、ハゼはミミズでもよく釣れます。
ただし、ミミズは海水の中では長く生きられないので、誘いを入れるなどしてハゼへアピールする事をお忘れなく!
なお、虫エサが苦手な方には、小粒のオキアミやサシアミ、スーパーで売っているボイルホタテの貝柱でもよく釣れますので、ぜひお試しあれ。
ハゼの味や調理法
ハゼは「釣って楽しく、食べておいしい魚」。ハゼ釣りを楽しんだら、今度はおいしくいただきましょう!ここでは、ハゼの手軽な調理方法を3つほど紹介します。
ハゼの天ぷら
①塩をふってよく揉み、ヌメリを取る
ボウルの中にハゼを入れ、粗塩をふってかるく揉み、流水で洗い流します。これを2~3回繰り返すとヌメリが取れます。ビニール袋の中でやってもOK。ヌメリを取ると泥臭さが取れるので、おいしくいただくためにはぜひやっておきたい作業です。
②ウロコを取る
ウロコは包丁やウロコ取りで取りますが、数が多い時はまとめてネットに入れて流水の
下でモミモミするとウロコが取れます。
ペットボトルのフタや大根の切れ端でウロコを取る人もいるようです。
③頭と内臓を取る
④背中から包丁を入れ、腹から包丁の先が出ないように身を開く
⑤裏返して中骨を取り除き、腹の黒い膜を取る
このとき尾ビレや背ビレ、腹ビレは付いたままでもかまいません
また多少身がくずれても、衣で隠れるので全然問題ナシ
⑥キッチンペーパーで水分を十分に取る
⑦市販の天ぷら粉で天ぷら液を作る
作り方は天ぷら粉の説明書きに従ってください
⑧さばいたハゼを天ぷら液に浸す
⑨サラダ油を熱し、天ぷら液に浸したハゼを投入
このとき、皮が下になるように入れてください
⑩衣が黄色くなって浮いてきたら取り出す
出来上がったハゼの天ぷらは、塩または天つゆでどうぞ!
ハゼの唐揚げ
①塩をふってよく揉み、ヌメリを取る (天ぷらと同じ)
②ウロコを取る (天ぷらと同じ)
③頭と内臓を取る (天ぷらと同じ)
④キッチンペーパーで水分を十分に取る
⑤塩コショウで下味をつける
⑥小麦粉または片栗粉をまぶす
市販の唐揚げ粉を使ってもいいですが、小魚用としては味が濃いので、少しだけ付けるか、片栗粉と1:1にブレンドして使います
⑦サラダ油を熱し、ハゼを投入する
⑧表面がキツネ色になって浮いてきたら取り出す
唐揚げはハゼの定番料理! 塩やレモンをかけてどうぞ!
ハゼの刺身(肝乗せ)
①塩をふってよく揉み、ヌメリを取る (天ぷらと同じ)
②ウロコを取る (天ぷらと同じ)
③3枚におろす
3枚におろすときに、ニガ玉をつぶさないよう気を付けましょう。
3枚におろしたらあばら骨もすき取ってください。
また、このとき肝も取っておきましょう。
④3枚におろした身の皮を引く
⑤肝をサッと湯引きする
⑥皮を引いた身と、湯引きした肝を氷水で締める
⑦キッチンペーパーで十分に水分を取る
⑧皿に盛りつけて出来上がり!
刺身だけでも十分おいしいのですが、肝を乗せて食べると絶品の旨さになります!
まとめ
以上、ハゼの生態や釣り方、調理法について紹介してみました!
ハゼ釣りについてまとめてみると、以下のようになります。
- 河口や内湾、入り江など身近なところに棲んでいる
- 手軽な道具で楽しめる
- ビギナーからベテランまで楽しめる
- 天ぷらや唐揚げ、刺身の肝乗せで食べると絶品
みなさんも仲間や家族と一緒にハゼ釣りを楽しんでみてはいかがですか?!
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