北海道から九州南部までに生息しているため知名度が高いカサゴは一般的には赤い魚体で岩礁域に生息しておりいます。流通度は少なく1キロあたり2000円以上の値をつけるので料亭などでも出てくる高級魚です。
釣りをしているとターゲット魚種でもなく釣れることがあり、背びれが大きいので取り扱いには注意が必要です。
今回は高級魚のカサゴについて生態系や釣り方、調理法などを紹介しています。
成長速度が遅いとして有名な魚でもあり、幼魚の15cm未満はリリースを推奨しているアングラーもいます。
カサゴってどんな魚?生態や特徴
分類:スズキ目フサカサゴ科
成魚になると全長30cm程となる魚です。見た目は赤く、背びれとエラ周りが大きい特徴があります。住み着いている場所によって魚体の色も変わることがあり、砂地に生息している場合は茶色が多い魚体もいます。
カサゴの中にもウッカリカサゴと呼ばれる似た魚種がおり、背びれにかけてはっきりした斑点が多く見られます。
10月〜11月が繁殖時期で旬の時期は秋から春です。カサゴのような岩場に生息している根魚は成長速度が遅く、20cmになるまで5年〜6年が必要で30cmになるまでには10年近い年月が必要と言われています。
日本では知名度はありますが、スーパーなどに売られていることは珍しく釣り人でなければ食べたことも無い人も珍しくはありません。アジア圏の海に生息しており、韓国や中国、台湾などでも食べられることがあります。
カサゴはカサブタが由来?
カサゴは地域によって呼び方が異なりますが、正式名称はカサゴです。ウッカリカサゴと間違われることもあり本カサゴと言われることもあります。
赤色の魚体に白色の斑点があるので瘡(かさ)に見えてることからカサゴと名付けられています。岩礁域では胸びれを広げてじっとしている姿から傘のように見えるので傘子という漢字が使われることもあります。
全国でも呼び方にバラツキがあり、カガナ、ガシ、アラカブ、アタガシなどさまざまな呼び方をしている魚です。
栄養素が高く滋養強壮食材としても有名
カサゴの100gに対して炭水化物0.1g、タンパク質19g、ビタミンC1mg、鉄分0.3mgなど栄養素が高く、ウナギの栄養素に匹敵する滋養強壮食材として人気があります。
カルシウムとビタミンなどは十分な栄養があり、魚介の中でも体に良い食材で高級魚として料亭などで食べられることもあります。
白身で程よい脂がのっており子供から大人でも食べやすく、調理法もさまざまで歯や骨を頑丈にする効果が期待されています。
定番の食べ方は煮付けでぬめりが強い魚なので丁寧な下処理が必要です。
カサゴの生息地は?日本では釣れる?
日本の生息地は北海道から九州南部の大西洋沿岸、日本海、東シナ海、瀬戸内海、八丈島の岩礁域や砂地の岩付近に生息しています。海外では中国、韓国、台湾などでも流通があり、アジア圏の海でカサゴは生息しています。
その他の地域ではカルフォルニアや地中海で釣られることもありますが、紹介しているカサゴではなく、カルフォルニアカサゴなど魚種が変わってきます。
潮の流れており隠れる場所を好む習性があります。海底が岩場であれば船釣りと陸からでも釣ることが出来ます。カサゴをターゲットにしていなくても食いついてくることがあり、特にテトラポットの日陰になっている部分に住み着いていることが多いです。穴釣りと言われる釣法でサイズを問わず釣り上げることが出来ます。
カサゴ釣りの方法や仕掛け方法
カサゴを釣る方法として穴釣り、チョイ投げ、沖釣り、ルアーフィッシング、落とし込み釣りで釣ることが出来ます。
昼間はサイズを問わずテトラポットの影に潜んでいることが多く、重ためのオモリにエサを付けて底まで落とし数回巻いていると食いつくことがあります。
穴釣りはテトラポットに糸が擦れて切れる可能性が高いので食いついたらフッキングし早めに巻きましょう。
沖釣りは良型のカサゴが釣れやすく重りが海底に着いたら糸を張って放置し竿先が小さく反応しても焦らず食い込むまで待ち巻き上げましょう。
エサはイソメ、サバなどの切り身、オキアミに食いつきます。根魚で岩場からあまり出ることがなく、じっとしている特性があるのでルアーフィッシングよりも餌の匂いなどで誘い出すイソメやオキアミが効果的です。
アジングやメバリングで使用するワームにも食いつくことが多く、アジングロッドではロッドパワーが足りない可能性があります。
危険を感知すると岩の隙間に逃げ込もうと下に潜ることがあるので糸が切れないようにしましょう。岩の隙間に入られてしまうとエラを広げて体を固定し引っ張っても出てこないので、そうなった場合は放置すると出てくる可能性があります。
カサゴの味や調理法
カサゴはウロコが細かく、ヌメリがありますが、水洗いをしながら鱗を取るとヌメリも一緒に取る事ができます。白身でクセがなくて味付け次第でさまざまな料理に使用することが可能です。
エラ周りが大きくエラが取り出しにくい場合は口の中から外側に2本割り箸を入れて回すことで簡単にエラを取る事が出来ます。
大きめのカサゴであれば煮付けがとても美味しく人気で、サイズが小さければ唐揚げやみそ汁に入れても美味しくいただけます。
カサゴの煮付け
カサゴの煮付けにするのであれば20cm以上の魚体が必要です。それ以下のサイズになってしまうと煮崩れがおき、上手く仕上がらない可能性があります。
ヌメリが強い魚なので水洗いしながらウロコとヌメリを同時に取ります。
その際に背びれに気をつける必要があり、顔を持つと行いやすいです。ヌメリを取ったらキッチンペーパーで外側と内側の水分をしっかりと取りましょう。
下処理を終えたあと酒、しょうゆ、みりん、砂糖、水をいれて煮ると出来上がりです。
皮は分厚く背骨も太いため美味しいダシが出るので、カサゴの味や風味を活かしたい場合は、しょうゆとみりんを数回に分けてあまり濃くなり過ぎないように味見をしながら煮ると失敗が少なく好みの味に仕上げることが出来ます。
カサゴの唐揚げ
カサゴは小ぶりの魚体が釣れることも多く、釣った魚は持ち帰り食べたいという方には唐揚げがおすすめです。
エラやウロコ、内蔵を取り下処理を終えたあと水分をよく切って片栗粉を全体的にまぶします。小さな魚体は下処理を終えたまま揚げることが出来ますが、大きいサイズであれば中まで揚がりにくいので身を開く必要があります。
水分をきって片栗粉をまぶすので付きにくくなっているので二度揚げがおすすめです。白身の甘みのある味わいとほんのり香る磯の香りが人気です。
カサゴの味噌汁
味噌汁に使用する個体は食べれる身が少ない小さなサイズのカサゴが最適です。
ウロコや内蔵などの下処理したカサゴを食べやすいように2等分します。水分をよくとってから水や昆布だしからに出してお好みの味噌をときます。だいこんや玉ねぎなどと一緒に煮ると甘みが出てきて味わい深くなります。
味にクセが無い魚なので野菜の味わいと相性が良くごほうやにんじんなど風味が豊かな野菜とも合わせることが出来ます。大きめの魚を他料理に使用し、あらなどで作っても美味しい出汁が出ておすすめです。
まとめ
カサゴの生態系や釣法、調理法について紹介しました。カサゴとウッカリカサゴの見分けはくっきりとした斑点が背中の上部にかけてあるかで判断できます。
カサゴは白身でクセが無く、栄養素が高い滋養強壮食材の高級魚です。スーパーなどでは出回りにくいですが、アングラーはよく目にする魚となっています。
コメント