皆さんはウマヅラハギという魚を聞いたことはあるでしょうか?スーパーや食卓であまり見かけない魚ですが、釣り人がメインターゲットとして狙うほど人気がある魚です。見た目からは想像がつかないほど美味で、とくに肝醤油と絡めて食べるお刺身がとても美味しいです。
この記事では、ウマヅラハギが釣れる仕掛けやポイントを詳しく解説しています。ウマヅラハギの驚くべき生態や特徴も紹介していますので、ぜひ、最後まで読んでみてください。
ウマヅラハギってどんな魚?生態や特徴
分類:フグ目カワハギ科
ウマヅラハギの生態や特徴について紹介します。産卵期は4〜7月で複数回の産卵をし、一度に7万粒ほど産みます。エビやカニ類を主に食べており、1年で約15㎝、2年で約20㎝、最大で約30㎝まで成長します。
平たい形をしており表面はザラザラしています。口は小さく体色は青灰色〜茶色、ヒレは青緑色で、わたのような白い模様があるのが特徴です。ウマヅラハギの旬は秋〜春にかけてです。肝が大きくなり、肝醤油でお刺身を食べると濃厚で食べ応えがあります。
ウマヅラハギは漢字で「馬面剥」と書き、顔が馬の顔に似ていること、調理の際に皮を剥ぐ必要があることが名前の由来です。「ウマハゲ」などとも呼ばれています。食卓にはあまり並ばない魚ですが、市場や料亭で並んでいますので見かけた際は、ぜひ、食べてみてください。
環境が悪くても生きられる!
ウマヅラハギの寿命は約10年といわれています。生息する環境によっても寿命は異なるので、10年より長く生きる可能性もあります。長生きの要因として、ウマヅラハギの環境適応能力の高さがあります。
例えば、ヘドロが溜まるような悪い水質の場所や濁っている場所でも生きていくことができます。劣悪な環境下においても、稀に大発生することもあるそうです。水質が悪いところで釣れたウマヅラハギは美味しいのかは、いささか疑問ですが、他の魚にはない生命力を感じますよね。
クラゲが大好物
ウマヅラハギはクラゲが大好物です。泳いでいるクラゲを群れで襲い、強力な顎や鋭い歯で噛み千切って食べます。以前、エチゼンクラゲが大量発生した際に、ウマヅラハギがエチゼンクラゲを食べていたという事例もあったそうです。
ウマヅラハギは幼魚の頃からクラゲ類を好んで食べるため、近年大発生して問題となっているエチゼンクラゲの駆除に利用できないか、と研究が進んでいます。環境問題などにも一役かってくれるかもしれませんね。
ウマヅラハギの生息地は?日本では釣れる?
ウマヅラハギは北海道から九州にかけての太平洋沿岸と日本海に広く分布しており、瀬戸内海でも生息が確認されています。外国では朝鮮半島やマレーシアまで分布しています。水深50m〜150mほどの深場の底近くから中層までの範囲に集団で生息していることが多いです。
ウマヅラハギは日本で釣ることが可能です。堤防や漁港など陸からウマヅラハギを釣ることができます。しかし、ウマヅラハギがよく釣れるのは船釣りです。ウマヅラハギが棲みついていそうな場所にピンポイントで仕掛けを落とすことができるからです。
群れで泳いでいるので一匹釣れれば続くことも多いです。船釣りがおすすめですが、初心者の方やお金をかけたくない人は陸からウマヅラハギを狙ってみてもいいでしょう。
ウマヅラハギ釣りの方法や仕掛け方法
ウマヅラハギのよく釣れる仕掛けと釣り方を解説します。初心者の方にもわかりやすく解説しますので、最後まで読んでみてください。下記は、ウマヅラハギ釣りに必要な道具になります。
- 釣り竿 ・・・ ウマヅラハギ専用ロッドorメバリングロッドorイカメタルロッド
- リール ・・・ 電動リールorカウンター付き小型ベイトリール
- 仕掛け ・・・ 市販されているウマヅラハギ用の仕掛け
- 餌を入れるカゴ ・・・ 重さが30号のカゴ
- 釣り糸 ・・・ PEライン1.2号〜2号
- スナップ付サルカン
- 餌 ・・・ 海エビ(バナメイエビ)
- 撒き餌 ・・・ 地アミ3kg程度
撒き餌の地アミは撒きすぎると潮の流れとともに移動したり、差し餌を食わなくなる場合もあります。最初に寄せるときに使用して群れが集まってきたら一度控えましょう。
針の大きさに合わせて、海エビ(バナメイエビ)を小さめなサイズに切っておきます。竿先にアタリがでやすく、釣果に繋がります。アタリを感じたらアワセて、そのまま糸を緩めずに巻いて水面に魚が浮いたらタモですくうか、直接釣り上げましょう。
巻いている途中や水面に浮いたときにバラシが続くようだと鈎先が尖っていない可能性がありますので、針や仕掛けの交換を検討します。ウマヅラハギの反応がなければ、ポイントを移動して色々な場所でトライしてみましょう。実績のある釣り方なので、ぜひ、試してみてください。
ウマヅラハギの味や調理法
ウマヅラハギは淡白でクセのない味が特徴です。ウマヅラハギの旬は秋〜春にかけてです。肝が大きくなり、刺し身で食べるなら適度に肝も膨らんだ秋、鍋など加熱調理するなら寒い時期に食べるのがおすすめです。
ウマヅラハギには豊富な栄養素がバランスよく含まれています。例えば、動脈硬化を予防しストレスを緩和する「パントテン酸」や疲労回復や利尿作用、高血圧予防に有効な「カリウム」などです。
ウマヅラハギは淡白な白身魚なので、鍋や煮付け、フライなどさまざまな調理に向いています。今回はとくにおすすめの「お刺身」「煮付け」「味噌汁」を紹介します。
ウマヅラハギのお刺身
鮮度の良い大きめのウマヅラハギが手に入れば、お刺身がおすすめです。ウマヅラハギのお刺身は、素材の味を直に感じられます。肝醤油で食べると、あっさりとした身に肝の旨味と風味が加わり奥深い味を楽しめますよ。作り方は簡単なので、ぜひ、試してみてください。
(約4人前)
- ウマヅラハギ (2匹)
- 大葉 数枚
- つま 適量
- わさび 適量
- 醤油やポン酢 適量
(作り方)
- ウマヅラハギの皮を剥いで、内臓を取り除き、3枚におろしていきます。おろすときの注意点として、肝は内臓の中から大切に取り分けておきましょう。
- 3枚におろし終わったらきれいに水で洗い、水気を拭き取ります。
- 身を薄く切って刺身にします。
- お皿に大葉やつまを敷いて、ウマヅラハギの刺身を盛り付けます。
- 包丁でよくたたいた肝を醤油やポン酢に入れて、肝醤油を作れば完成です。
お酒がすすむ!ウマヅラハギの煮付け
ウマヅラハギは白身魚なので煮汁が染み込みやすく、煮汁が染み込んだウマヅラハギはお酒あてに最高です。ご飯のおかずにも合います。とくにお酒が好きな方に、ぜひ、試してみてほしい調理法です。
(約4人前)
- ウマヅラハギ (4匹)
- 針生姜 少々
- インゲン豆やネギなど 適量
- 水 100cc
- みりん 50cc
- 砂糖 大さじ1杯と大さじ1/2
- 醤油 50cc
- 酒 100cc
(作り方)
- ウマヅラハギの皮を剥いで、内臓を取り除きます。
- 水でよく洗います。
- 鍋に水、みりん、砂糖、醤油、酒を加えて火にかけます。
- 沸騰したらウマヅラハギを入れて煮立てます。アクを適宜取り除き、弱火から中火で10分煮ます。7分程経過したら、インゲン豆やネギなどお好みの野菜を入れて煮つめます。
- インゲン豆やネギなどお好みの野菜に火が通ったら、お皿に盛り付けて完成です。
心にも身にも染みる!ウマヅラハギの味噌汁
ウマヅラハギの味噌汁は優しい味わいで、ウマヅラハギの旨みを感じることができます。心も体も温まる料理です。普段、調理をしない方でも簡単に作れるので、ぜひ、試してみてください。
(約4人前)
- ウマヅラハギ (2匹) ※小さいウマヅラハギなら4匹
- ダシ汁or水 4カップ
- 味噌 適量
- 刻みネギ 適量
- 柚子や木の芽 ※お好みで
(作り方)
- ウマヅラハギの皮を剥いで、内臓を取り除き、3枚におろしていきます。
- 水でよく洗います。
- 身を食べやすい大きさに切ります。
- ザルに切り身を並べ熱湯をまわしかけます。臭みとアクを取るためです。
- 鍋にダシ汁or水を入れ沸騰させて、沸騰してからウマヅラハギを入れます。再び沸騰したら中火にします。ウマヅラハギに火が通ったら味噌を入れてください。
- お椀によそって刻みねぎを散らします。
- お好みで柚子や木の芽を添えて完成です。
まとめ
ウマヅラハギの生態や魅力、釣り方を紹介してきました。ウマヅラハギに少しでも興味を持っていただけたでしょうか?クラゲを食べたり、ストレスの緩和や疲労回復に有効な栄養素が含まれていたり、ウマヅラハギの驚くべき生態や特徴を紹介してきました。
ウマヅラハギは釣って終わりではなく、食べてもとても美味しい魚です。とくに肝醤油と絡めて食べるお刺身が美味です。ウマヅラハギに興味を持っていただけたら、「ウマヅラハギ釣りの方法や仕掛け方法」をよく見返して、ぜひ、釣ってみてください。釣れると楽しいですよ!
コメント